中小規模店が生き残るためには「差別化」しか方法はありません。また、焦点は絞れば絞るほど訴求力が高まります。これは思いつきの考えではありません。著名な経営学者のマイケル・ポーターが「競争戦略」として提唱していることです。

マイケル・ポーターは企業の競争戦略について3つの考え方を示しています。

1. コスト・リーダーシップ戦略
2. 差別化戦略
3. 集中戦略

コスト・リーダーシップ戦略とは、規模の経済や経験曲線により、低コストで競争優位性を保とうとする戦略のことです。規模の経済を実現するには大量生産体制が不可欠なため、大規模な設備投資が行える大企業向けの戦略といえます。中小規模店がこの戦略を行うのは現実的ではないでしょう。

差別化戦略とは、特徴的な高付加価値のある製品・サービスなどを提供することにより、高価格販売を実現する戦略のことです。機能や効能、デザインや雰囲気、付属サービス、ブランドイメージ、技術などで模倣が困難な製品・サービスを提供する戦略です。アイデアや忍耐が必要となりますが、必ずしも大規模な資金を必要としないため、中小規模店でも行うことができる戦略です。

集中戦略とは、ターゲットや製品、商圏などを限定して経営資源を集中し、限定的な領域において競争優位を保つ戦略のことです。集中戦略はさらに、コスト・リーダーシップ戦略をとるか差別化戦略をとるかを選択します。選択と集中で焦点を絞ることで訴求力を高めていく戦略です。特に規模が小さければ小さいほど、集中戦略を行っていく必要があります。

■ マクドナルドとモスバーガーの戦略

さて、ここで具体的な事例を挙げていきます。コスト・リーダーシップ戦略については、1990年代後半の「日本マクドナルド」がわかりやすい例となるでしょう。1990年代後半にマクドナルドは価格破壊戦争を仕掛けていきました。「エブリデイ、ロープライス」をうたい、ハンバーガーなどの商品の値段を段階的に値下げしていきました。マクドナルドに対抗する形で、他のファーストフードチェーンも値下げして追随しました。マクドナルドは2000年代前半にハンバーガーを59円で販売していたこともあります。マクドナルドは強力なバイイングパワーと設備投資により規模の経済を実現し、大量生産体制による製品の低価格化を実現することができたのです。

コスト・リーダーシップ戦略を採用するマクドナルドに対して、モスバーガーを展開するモスフードサービスは差別化戦略で対抗していきました。モスバーガーはマクドナルドとの差別化を図るために、価格破壊戦争が激化する中でもほとんど値下げはせず、高級路線を堅持していきました。美味しさを保つために、モスバーガーでは注文を受けてからつくり始めます。多少の時間がかかっても、新鮮で美味しいものを提供したいという考え方があります。

また、ハンバーガーで使用されている野菜にもこだわっています。野菜の産地や生産農家の方の名前を店頭で紹介しています。ボリュームたっぷりの新鮮な野菜を使用しています。モスバーガーはマクドナルドなどの競合にはない、差別化されたハンバーガーを提供しているのです。

モスバーガーは集中戦略においては、高価格帯という限られた領域で、新鮮な野菜だけを使用したハンバーガーを提供しています。また、一等地というよりは二等地や路地裏に集中的に出店しています。領域を絞った集中戦略を行っています。

モスフードサービスは日本マクドナルドに次ぐ、業界2位の規模になります。モスバーガーは中小規模店とはいえませんが、採用している戦略という意味においては中小規模店が学ぶべき点が非常に多く、モデルにするべき企業といえるでしょう。中小規模店がとるべき戦略は、差別化戦略と集中戦略なのです。

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