熱帯雨林をモチーフにしたエンターテイメント・レストランの「レインフォレストカフェ」は東京ディズニーリゾート(TDR)内にあるショッピングモールのイクスピアリにテナントとして出店しています。

店内は樹木が生い茂るジャングルのような空間で、ゾウやゴリラ、野鳥といった動物の動く模型が点在しています。幾つかの巨大な水槽には本物の熱帯魚が泳いでいます。そのうちのひとつの水槽の高さは5m程度ある巨大なものです。雷鳴や鳥の鳴き声などが店内にこだまします。まさに熱帯雨林をイメージしています。

レインフォレストカフェは90年代にアメリカで誕生しました。飲食にエンターテイメント性を持たせることで、料理だけでなく雰囲気や空間、体験といったエンターテイメントも楽しむことができる業態として注目を集めました。ロック音楽を聴きながら料理を楽しめる「ハードロックカフェ」などと共に、エンターテイメント・レストランの先駆けとなりました。

■ ディズニー流の価値体験がある

2000年にレインフォレストカフェがイクスピアリに誕生しました。経営するのは株式会社アールシー・ジャパンです。同社は当時、TDRを運営するオリエンタルランドの100%子会社でした。現在は、株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングスが15年に全株式を買い取っているため、アールシー・ジャパンとオリエンタルランドとの間には資本関係はありませんが、オリエンタルランドによるディズニー式のノウハウが注ぎ込まれていて、それは今でも健在です。

ディズニー流のホスピタリティ溢れる接客サービスがレインフォレストカフェにはありました。店員は皆、元気な挨拶と笑顔の接客で顧客をもてなしていました。店内をキビキビと動き無駄がありません。必ずしも行うわけではないと思いますが、私の注文を受けた店員は膝を床につけて低姿勢で丁寧に満面の笑顔で対応してくれました。同店の接客サービスレベルの高さが如実に現れていました。

メニューはハンバーグなどのプレート料理やステーキ、ハンバーガー、ピザ、パスタ料理など、アメリカフードを中心とした構成となっています。価格帯は高めで1000円台、2000円台が中心です。アルコールは各種カクテル(880円)を中心に、ワインやビールなども豊富に取り揃えています。

結婚式の2次会や歓送迎会など様々なシチュエーションに対応した完全個室のパーティールームも備えています。お洒落なバーカウンターもあります。

イベントも随時開催しています。探検隊コスチュームを身にまとって宝探しなどのアドベンチャーを体験できるイベントや季節に合わせたイベントなど、体験型エンターテイメントを提供しています。

さて、私は「Jungle’s BBQ Cheese Steak」(1980円)を注文しました。フィラデルフィアの代名詞「チーズステーキ」をジャングル流にBBQでアレンジしているとのことです。細かく切られたステーキ肉をBBQソースととろけたチーズで絡め、葉物野菜やトマトなどと一緒にパンで挟んでいます。フライドポテトとコールスロー、ピクルスが添えられています。

美味しかったのですが、1980円は高いと思いました。エンターテイメント・レストランなので雰囲気等込みの値段といえます。それを考えれば許容範囲と感じました。熱帯雨林という非日常を体験することができ、ホスピタリティ溢れる接客サービスがあったので、価格に見合った価値を提供してもらったと感じました。

エンターテイメント・レストランは目新しい業態ではありません。しかし、長引く不況から抜け出そうとしている今、再び注目するべき業態ではないかと感じています。市場が成熟している現代は、いかに他との違いを打ち出していくかが強く問われる時代だからです。これは飲食業だけではありません。他の業態でも同様です。顧客に心に残るような価値をいかに提供していくのかが問われていくのです。

会計の伝票と共にアンケート用紙をいただきました。「料理の提供のタイミング」「料理の味」「従業員の接客態度」「店内の雰囲気・演出」「価格」などについて満足したかを問うアンケート用紙です。テーブル担当者の名前が添えられていました。顧客の意見を聴くということは非常に大事です。アンケート用紙をテーブルに置いている店はよく見かけますが、会計の伝票と共に配布しているのは初めてのことでした。配布することで回収率が高まるのでしょう。

アンケート用紙の他にカードが置いてありました。私の名前が書かれていました。ちょっとしたことですが、名前が書いてあるというのは嬉しいものです。そのカードの裏には、売り上げの一部を熱帯雨林保護団体などの組織に寄付する旨が書かれていました。これは「コーズ・リレイテッド・マーケティング」というマーケティング手法で、収益の一部を寄付することで社会的な課題を解決し、企業のブランドイメージを高めることを狙っています。これにより、同店のブランドイメージを高めています。

レインフォレストカフェにはディズニー流の卓越した経営戦略がありました。今でも色あせることのない店といえそうです。

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