商品・サービスの差別化を図る手法に「逆転する」という技法があります。経営学者のフィリップ・コトラーが提唱した「ラテラル・マーケティング」における6つの技法のうちの一つです。市場や商品・サービスにおいて、逆転の発想を行うことで新たな価値を生み出すことができます。

「逆転する」という技法を用いるには、世の中の常識を疑う必要があります。当たり前とされていることの中に答えを見つけることができます。

■ おでんは9月に最も売れる

例えば、「おでん」が分かりやすい事例でしょう。セブンイレブンはおでんを夏に売るという「逆転する」という技法を使って差別化を図ることに成功しました。かつて、おでんは寒い時に食べるものという世の中の常識がありました。今では当たり前となっていますが、かつては夏におでんを食べるという考えは非常識であり、そもそも、そのような考えを思い浮かべた人は殆どいませんでした。しかし、セブンイレブンの鈴木敏文氏はその世の中の常識を疑い、おでんは暑い夏の日でも売れるのではないかと考えました。

そこで、セブンイレブンは夏におでんを売り始めました。それまでは、気温が低下した冬になってから販売を開始するのが常識だったので、夏に販売するというのは当時では常識破りの考え方だったのです。しかし、意外にも夏でもおでんは飛ぶように売れました。残暑の暑さが色濃く残る9月が最も売れるのです。これは、常識を疑わないと出てこない発想といえます。

■ 世の中の常識を疑うことで新たな価値が生み出される

9月におでんが売れる理由は、消費者の消費マインドの変化が起こることにあります。9月は残暑の暑さが残る月ですが、天候が不安定で気温が急に下がる時があります。一時的な気温の低下ですが、寒さを感じるので本能的に温かいものを食べたくなります。「寒いので温かいものを買って食べよう」という、消費者の消費マインドに変化が生じるのです。これは、夏でもおでんが売れるのではないかという逆転の発想がなければ考えつくことができないといえます。

夏におでんを売るということは、時代の進展による消費者のライフスタイルの変化を敏感に察知した結果生まれた発想でもあります。かつては職場や自宅にある部屋は必ずしも冷房が効いている環境下にあったわけではありませんでした。しかし、空調機の普及で今では冷房が効いた部屋で過ごすことは当たり前になりました。こうした消費者のライフスタイルの変化を察知し、夏でも冷房が効いた部屋でおでんを食べるという消費者の嗜好は存在すると考えることができました。温かいおでんを買って持ち帰って、冷房の効いた部屋で食べるという新しいライフスタイルが生まれたのです。

おでんの例が示す通り、ラテラル・マーケティングの「逆転する」という技法は新たな価値を生み出すことができます。世の中の常識を疑い、逆転の発想で物事を見ることが大事であるといえます。

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