カルビーが販売する、玄米、オーツ麦などの穀類を香ばしく焼き上げたシリアルにドライフルーツが加わったシリアル食品の「フルグラ」が好調です。国内シリアル市場において、年間売上No.1、シリアル市場容量No.1に輝くなど大きく成長しています。

売上高は2011年37億円、12年63億円、13年95億円、14年143億円と右肩上がりで伸びています。15年は200億円を達成する見込みです。同社は18年には500億円を目指すとしています。フルグラで朝食事業1000億円を視野に入れています。

■ 市場ポジショニングを再定義した

フルグラがヒットしている理由は「市場ポジショニングの再定義」にあります。

カルビーは1988年にシリアル事業をスタートさせ、翌89年にグラノーラなどシリアル製品5アイテムを市場に投入しました。91年にドライフルーツが付け加えられたフルーツグラノーラが誕生しました。しかし、売り上げは振るいませんでした。

かつてのフルーツグラノーラの市場ポジショニングは「シリアル食品市場」でした。シリアル食品市場は飽和状態にあり、過当競争が繰り広げられていました。市場規模は小さく、シェア拡大は困難を極めていました。

■ 「シリアル食品市場」から「朝食市場」へ

そこで同社は、市場のポジショニングを「シリアル食品市場」から、和朝食やパンと並ぶ「朝食市場」に変更しました。市場の定義を見直したのです。そこから風向きは変わります。同社は11年に商品名を「フルーツグラノーラ」から「フルグラ」に変更しました。

シリアル食品市場は規模が限定的でしたが、朝食市場は規模が大きく潜在需要も大きかったため、ヒットする下地があったといえます。フルグラはドライフルーツが入っているため栄養価の高い食品です。健康志向の高まりもあり、売り上げ拡大の兆しが見えてきました。朝活の活況などにより、朝食が見直され始めたことも追い風となりました。

■ 朝食の「主役」から「脇役」へ

さらに、フルグラにヨーグルトをかけて食べるという新しい食べ方の提案を行ったことも功を奏しました。フルグラ単独ではなく、ヨーグルトとの併用での食べ方を訴求したのです。これは、フルグラが「主役」ではなくヨーグルトの「脇役」という市場ポジショニングの変更を意味します。規模の大きい朝食市場の中の「ニッチ市場」(隙間市場)に狙いを定めました。フルグラの栄養価の高さにヨーグルトの栄養価の高さをプラスすることで強みをさらに強化し、他では見ることができない高い訴求力を確立してニッチ市場に打って出る戦略です。

訴求は「脇役」ですが、フルグラを「主役」として食べる消費者ももちろん存在します。朝食市場の脇役を突破口に、朝食市場の主役へとステージアップさせることに成功しました。「朝食市場で売上高1000億円」の達成に向けた巧妙な事業戦略が垣間見えます。

ヨーグルト以外の組み合わせによるレシピの提案やフルグラ自体のバリエーションの拡大も積極的に行っています。今後の成長に向けて様々な布石を打っています。

フルグラの大ヒットは市場ポジショニングの見直しにありました。「シリアル食品市場」から「朝食市場」へのポジショニングの変更と、朝食市場の「主役」から「脇役」へのポジショニングの変更が大ヒットの大きな要因といえそうです。

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