従来のマーケティングは、マス市場(大衆市場)にマスに対応した商品・サービスをマスコミュニケーションで画一的に訴求する方法が一般的でした。消費者が一律に横並びで時代を歩んできた背景があり、均質的な消費者ニーズが市場を支配していました。

しかし、時代の変遷と共に顧客のニーズは多様化し、市場の細分化が進んでいきました。「マニア」や「オンリーワン」といった「他人とは違う自分」が許容される時代になり、様々なニッチ市場(隙間市場)が形成されていくようになりました。

消費者のニーズが多様化した時代では、従来のマスコミュニケーションだけでは個別最適となる訴求ができなくなってきています。そこで昨今叫ばれているのが「One to Oneマーケティング」です。消費者や顧客と個別の関係性を構築するマーケティング手法のことです。個人個人のニーズにあった商品・サービスの提供や宣伝広告を行うことに主眼を置きます。

■ 商品・サービスのカスタマイズで個別最適を目指す

One to Oneマーケティングを考えるには、「カスタマイズ」がイメージしやすいでしょう。商品・サービスの提供や宣伝広告において、消費者や顧客の好みや特徴に合わせて仕様を変更することです。

例えば、メガネなどを販売する「パリミキ」では、顔の輪郭や眼の形などの特徴を人工知能搭載のコンピューターで読み取り、CGでレンズの形のデザインを行うオーダーメイドのメガネを販売しています。カスタマイズされたオンリーワンのメガネを消費者は購入することができます。

パリミキの「オプティカルアートコレクション」では、メガネのレンズやフレームに、雲竜紙(土佐和紙)を青海波に切り出し、純金箔に貼り、青龍の鱗模様を表現した「土佐龍」といった複数種類あるアートデザインを加えてカスタマイズする世界に一つだけのメガネを提供しています。日本の伝統工芸技術と最先端の装飾技術を融合することで、メガネの新しい楽しみ方を提案しています。

コーヒーチェーン店の「スターバックス」では、好みに合わせてコーヒーをカスタマイズすることができます。シロップやソース、チョコレートチップ、エスプレッソ ショットなどを追加することで一味違ったコーヒーを楽しむことができます。ミルクを豆乳や無脂肪乳に変えることもできます。

宣伝広告では、顧客に対して個別的に訴求していくことが求められます。顧客リストを保有しているのであれば、顧客の購買履歴から顧客の特性を把握し、個別の顧客に最適化された宣伝広告を行う必要があります。

■ 顧客別に宣伝広告のメッセージを変える

過去の購買履歴をもとに推奨する商品・サービスを変える、居住地域と選好に応じて最適の店舗を紹介する、顧客特性に合わせた媒体への広告出稿を行うなどの対応が必要となります。ダイレクトメールやメールマガジンなどで宣伝広告を行う場合は、顧客の特性に合致したカスタマイズされたコミュニケーションが必要です。

例えば、日本最大級のファッション通販サイトの「ZOZOTOWN」では、顧客の利用デバイスやチャネルに合わせて常にコミュニケーションの最適化を図っています。アクセスログや購買履歴、選好などの情報から、コートを購入した顧客にはコートに合う洋服を提案する、ギフト商品を購入した顧客にはラッピング方法の情報提供を行うといったカスタマイズされたコミュニケーションを行っています。

これらの事例が示す通り、多様化する消費者ニーズに対応したOne to Oneマーケティングの重要性は今後さらに増していくことが予想されます。消費者や顧客が望むものを深く理解していくことが求められます。One to Oneマーケティングの成否が企業の業績に大きな影響を及ぼしていくことになるでしょう。

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