中小企業や小規模企業が市場で勝ち抜いていくためには、大企業が入り込めないニッチ市場(隙間市場)に参入するしか他にありません。ニッチ市場を見つけ出すには市場を細かく見ていく必要があります。それを、市場細分化と言います。

市場を細分化し、企業が採るべき戦略を描いていくには、5つの基準で市場を評価・選択すると効果的です。5つの基準は、経営学者のデレク・F・エーベルが自身の著書『事業の定義:戦略計画策定の出発点』で提唱しています。大企業が市場の成長性や収益性を評価し、事業展開を行う際の指針としても用いられています。

5つの基準は、「単一セグメント集中」「選択的専門化」「製品専門化」「市場専門化」「市場フルカバレッジ」の5つです。

■ 5つのパターン

「単一セグメント集中」…特定の市場に特定の製品を集中的に投入する戦略です。単一のセグメント(全体を分割したうちの一つ)に照準を絞り込みます。ポルシェは、スポーツカー市場に自動車製品を投入し、特定のセグメントで特異な存在感を示すことで収益を上げています。

「選択的専門化」…企業が持つ複数の強みを活かして、製品と市場にこだわることなく、複数のセグメントを選択する戦略です。範囲の経済(多様性が高まることで経済性が高まること)を活用することで高収益を期待することができます。JT(日本たばこ産業)は、たばこ事業、医薬事業、加工食品事業を行っており、複数の市場に複数の製品を投入して収益を上げています。

「製品専門化」…複数の市場に特定の製品を投入する戦略です。製品の強みを活かすことに主眼を置きます。マブチモーターは、小型モーターの開発に特化し、自動車電装機器産業、音響・映像機器産業、情報機器産業といった複数の市場に製品を投入し収益を上げています。

「市場専門化」…特定の市場(顧客)に複数の製品を投入する戦略です。市場(顧客)を一つの基準で括りグループ化します。アスクルは、事務用品、パソコン周辺機器、オフィス家具、生活雑貨、飲料といった複数の製品をオフィス用品市場に絞って投入し収益を上げています。

「市場フルカバレッジ」…すべての市場(顧客)にあらゆる製品を投入する戦略です。巨大企業だけが採れる戦略です。トヨタグループは、すべての市場(顧客)を対象に自動車、不動産、住宅、保険といった複数の製品を投入して収益を上げています。

5つの基準で市場を細分化することで、収益を上げられるセグメントが見えてきます。市場の状況と自社の強みを組み合わせて採るべき戦略を判断します。戦略的に事業戦略を描く際の有効なツールとなるでしょう。

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