政府は19日、新成長戦略の素案をまとめました。労働人口の減少で低迷する日本経済の再興に向け、「第4次産業革命」と呼ばれる技術革新を活用することで新たな市場を創出するとしています。

安倍晋三首相は産業競争力会議で「第4次産業革命で新しいビジネスが生まれ、あらゆる産業が一変する可能性がある。スピード勝負で取り組む」と表明しました。

■ 第4次産業革命とは?

第4次産業革命とはどのようなものなのでしょうか。そして、店舗型ビジネスにおいてどのような影響があるのでしょうか。まずは、第4次産業革命とは何なのかを見ていきます。

第4次産業革命の前に、第1次から第3次までの産業革命が存在していました。第1次は、18世紀後半から19世紀にかけて起こった工場の機械化による産業の変革のことです。第2次は、19世紀後半に起きた電力などを活用した大量生産方式の産業の興隆のことです。第3次は、20世紀後半に起きたIT技術を活用した生産工程の自動化(人手によらない処理方式)のことです。

第4次産業革命は、IT技術や人工知能、ロボット、ビッグデータなどを活用し、産業の自動化や高度化を進めるものです。第3次でもIT技術は活用されていましたが、生産工程に限られていました。第4次では生産工程に限らず、原材料調達、生産工程、物流、販売まで、サプライチェーン全体に影響を及ぼすものとなっています。

第3次までは工場で画一的に製品を大量生産することに主眼を置いていました。しかし、第4次では人工知能やロボットを活用する「スマート(考える)工場」が主たるモデルです。これは、大量生産重視から受注生産(顧客の希望する仕様や数量に応じて個別に生産する方式)重視へと変わっていくことを意味します。

こうしてみると、どれも製造業の話が中心で店舗型ビジネスには関係のない話のように思えます。しかし、受注生産とは簡単に言うと「カスタマイズ」のことです。カスタマイズ重視の流れは製造業だけの話ではありません。店舗型ビジネスでも同様です。画一的に商品・サービスを販売していくのではなく、顧客のニーズに合わせて個別に販売していく「カスタマイズ」がより求められていきます。

■ ユニクロの第4次産業革命に対する取り組み

例えば、カジュアル衣料品を販売する「ユニクロ」は既に第4次産業革命の流れに乗ろうとしています。ユニクロはこれまで、画一的に商品を大量生産することで成長してきました。しかし、15年8月には、自分の体型や好みに合わせてセミオーダー感覚で作れるメンズシャツをオンラインストアにて販売を開始するようになりました。サイズと色柄、シルエット等によって全1183通りの組み合わせを可能にしました。16年1月には、サイズと色によって全2112通りの組み合わせを可能にしたメンズジャケットを販売開始しています。

ユニクロは15年6月にコンサルティング会社大手のアクセンチュアとIT分野で提携しました。顧客の会員化を進め、顧客が好みにあった柄や素材を選んで自分だけの商品を携帯端末で注文できる仕組みをつくり、デジタル販売への傾斜を強める考えを示しています。画一的に商品を大量販売する手法を見直し、カスタマイズされた商品の販売を強化するとしています。

第4次産業革命における受注生産重視の流れ、つまり、カスタマイズ化の流れは一例にすぎません。ただ、店舗型ビジネスではカスタマイズが象徴的で取り組みやすいものになるでしょう。中小企業や小規模企業では人工知能やロボット、ビッグデータなどの本格的な活用はもう少し先の話になると思われるからです。しかし、カスタマイズは今すぐにでも取り組むことができます。既存の商品・サービスを見直し、ちょっとした選択肢を増やす、バリエーションを豊富にするといったことでカスタマイズは実現できます。

これからの時代は、多様化した消費者や顧客のニーズに個別的に応えることができるカスタマイズされた商品・サービスの提供がより必要になっていくと言えるでしょう。

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