吉野家は、「豚丼」が復活販売後約2カ月で累計販売数が1000万食を突破したと発表しました。4月6日より全国の吉野家で復活販売しています。

豚丼は米国産牛肉問題で牛丼の販売を休止していた期間の2004年3月から2011年12月まで販売していました。つまり、牛丼の「代打」という位置付けで販売していました。その後、牛丼の販売再開や新商品の投入により、豚丼の販売を休止していました。

■ 「代打」メニューがホームランを放った

「代打」のメニューという位置付けでしかなかった豚丼を復活販売してみたところ、蓋を開けてみたら2カ月で1000万食という大ヒットとなっていたのです。仮に全部が並盛の330円での販売で計算すると、売上高は33億円にもなります。驚異的な売り上げと言えるでしょう。

豚丼は吉野家の業績にも好影響を与えています。2016年3月の全店売上高は前年同期比で0.2%減と落ち込みを見せていましたが、4月は10.1%増、5月は3.6%増と好調に推移しています。豚丼が下支えしていることがわかります。

吉野家は豚丼のヒットの前までは苦戦の連続でした。値上げにより客数が大きく落ち込んでいたからです。14年4月1日から値上げを実施しました。たとえば、牛丼・並盛は280円から300円に値上げしました。同年12月17日からは牛丼・並盛を300円から380円にするなどのさらなる値上げを実施しています。

■ 値上げにより客離れが加速していた

値上げの影響で、14年4月から豚丼の復活販売前の16年3月までの全店客数の対前年比は、14年10月、11月、15年8月、16年2月以外の月は全てマイナスとなっていました。プラスとなったのはわずか4つの月だけで、それ以外の20の月でマイナスです。客離れが加速していたのです。

豚丼は離れていた客足を呼び戻すことに成功しました。16年4月の客数は17.7%増、5月は6.7%増となっています。まさに、「救世主」と言えるでしょう。

■ マクドナルドも「復活販売」している

実は、昔販売していた商品を復活販売することで客数を獲得する戦略は豚丼以外でも見ることができます。たとえば、マクドナルドの「マックリブ」が挙げられます。マックリブは2001年4月に初登場しました。その後、販売と販売休止を繰り返しています。販売する際は「復活販売」として期間限定で販売します。

これはおそらく、意図的に「復活販売」していると思われます。期間限定で販売することで希少性を高め、話題性を喚起することができるからです。たとえば、11年9月から期間限定で、約3年ぶりの復活となる「マッックリブ」と「ダブル マックリブ」を販売し話題を集めました。米国ではマックリブの熱狂的なファンがいることで知られていて、マックリブの復活販売に合わせてマックリブにまつわる動画コンテストが開催されたほどです。

話を吉野家に戻します。豚丼の復活販売は同社の業績回復に大きく貢献しました。しかし、予断を許さない状況です。吉野家を運営する吉野家ホールディングスの16年2月期の営業利益率はわずか0.9%です。ライバルの「すき家」を運営するゼンショーホールディングスの16年3月期の営業利益率2.3%と比べても、経営状態が良好とは言いがたい状況です。薄氷を踏んでいる状況といえます。

豚丼の復活販売が吉野家の業績向上の起爆剤となっていくのか。今後の動向に注目したいところです。

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