問屋不要論、卸不要論が唱えられて久しいですが、問屋や卸などの物流業者が完膚なきまでに淘汰される気配は今のところ見ることができません。

インターネットやイーコマースの普及により、事業者から消費者へダイレクトでの販売が進むため、物流機能は縮小していくとみられていました。また、SPA(製造小売業)の台頭による物流業者を介さないビジネスが進化してきたことも、物流業者不要論が勢いを増す理由となっていました。

たとえば、インテリア・家具小売業大手のニトリは、物流を自社で行っています。物流業者を介さないため、物流コストを抑えることに成功しています。

ニトリのような企業が増えることで、物流業者は締め出されていくのではないかとも言われていました。しかし、統廃合の動きはあるものの、大手の物流業者はなくなるどころか、むしろ勢いを得ている傾向にあります。

ここで、物流業者の役割について考えます。物流業者の一番の役割は、製造業者が製造した製品を顧客に届ける配送機能(物流機能)にあります。そのため、ビジネスの流通経路が増えれば増えるほど、物流業者の役割は大きくなります。ビジネスのプレイヤーが多ければ、それに合わせて、流通経路は多くなります。よって、ビジネスのプレイヤーが多ければ多いほど、物流業者の役割は大きくなります。

■ 物流業者は製造業者と顧客の接触の数を減らす役割がある

物流業者が製造業者と顧客との間に介在すると、製造業者と顧客の接触の数が減ります。たとえば、製造業者が3者、顧客が3者いるとします。その間に物流業者が介在するケースと介在しないケースを考えてみます。

物流業者が介在しないケースの製造業者と顧客の接触の数は、「3×3」で「9」となります。しかし、物流業者が介在するケースでは、「3+3」で「6」ですみます。物流業者が介在した方が接触の数が減り、流通が簡素化されるのです。

アマゾンなどのネット事業者の台頭で見られる、製造業者から顧客へ直接商品を販売するというシンプルなビジネスが主流となれば、物流業者の役割は限定的にならざるをえませんでした。しかし、インターネットやイーコマースの普及はビジネスをシンプルにするどころか、逆に、ビジネスを複雑化させています。

たとえば、楽天では数多くの販売業者が登録をしています。これは、プレイヤーの数が増えていることを意味します。プレイヤーの数が増えれば、ビジネスは複雑化します。そうなると、物流も複雑化するため物流業者の役割は増すことになります。

■ オムニチャネル戦略の発展により物流業者の役割が増大する可能性がある

たとえば、セブン&アイ・ホールディングスの「オムニセブン」をはじめとする小売店舗での商品の受け取りが今後発展していけば、物流はより複雑化するため、物流業者の役割はより増していきます。製造業者から小売店舗への配送までに物流拠点が介在することになるからです。

これには異論があるかもしれません。オムニセブンのようなオムニチャネル戦略は物流を効率化することが目的でもあるからです。ただ、オムニチャネル戦略内での物流は効率化するかもしれませんが、物流の段階が増えることには変わらないので、全体的には物流は複雑化するのではと考えます。

オムニセブンのようなオムニチャネル戦略が普及していけば、物流はより複雑化することが予想されます。物流業者の地位が向上していくことでしょう。そうなると、小売業者や飲食店は、物流業者との付き合い方を変えていかなければならなくなるかもしれません。今のうちから関係性を強化していくことが求められそうです。

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