あるインターネットサイトでの出来事です。そのサイトでは、セミナーや研修などで利用できる会場を借りることができます。私はそのサイトを通じて定期的に特定の会場(「A会場」とします)を利用していました。何回かその会場を利用していたのですが、ある時突然、価格が上がっていました。値上がりした価格は割高に感じられたので、その会場を借りることをやめました。そして、他の会場を探すことにしました。

長らくA会場を利用していなかったのですが、ある時A会場の価格を見てみると、値上がり前の価格に戻っていました。価格が元に戻ったので、その後はまたA会場を利用するようになりました。

ところが、しばらくするとA会場の価格がまた上がっていました。値上がり後の価格は割高だと思ったので、その会場の利用をやめることにしました。

■ 意図的に価格を操作している

人為的かコンピューターの判断かはわかりませんが、どうやらそのサイトは利用者の利用状況に応じて価格を操作しているようです。近年、ビッグデータを活用して価格を操作する動きが見られるようになりましたが、その流れが意外に身近にあるものだと少しの驚きを持ったことを記憶しています。

私が体験したこうした動きは他にもあります。ある画像を提供するサイトです。そのサイトではプロのカメラマンが撮影した写真やプロのイラストレーターが描いたイラストの画像を販売しています。

私は最初の方は割安な価格で画像を購入することができていました。質の高い画像が低価格で購入できていて満足していました。しかし、ある時を境に急に価格が上がりました。ただ、値上がりはしたものの、それでも価格に見合った価値のある画像を購入できると判断したため、その後も購入を続けていました。

しかし、ある時を境にさらなる値上がりが起こりました。さすがにこの時の値上がり後の価格は割高だと思ったため、その後は購入することはなくなりました。

おそらくですが、先のセミナー会場予約サイトと画像販売サイトとも、価格設定は利用者によって異なるのでしょう。利用者が支払ってもいいと思う価格まで、できるだけ釣り上げていきたいという思惑が見え隠れします。収益の最大化を図っているようです。

こうした例にある、1つの商品・サービスを2種類以上の価格で販売することを「価格差別」といいます。この価格差別は非常に合理的です。なぜなら、商品・サービスに対して支払ってもいいと思う価格は人によって異なるからです。100円のジュースに1000円払ってもいいと思う人に1000円で販売することは理にかなっているといえます。

こうした価格差別の台頭はインターネットサイトでのビジネスで顕著ですが、店舗型ビジネスにおいても無視はできないものとなってきています。

■ 割引クーポンやポイントカードの地位が高まる?

店舗型ビジネスにおける価格差別の代表的なものは割引クーポンやポイントカードでしょう。割引クーポンやポイントカードを利用して顧客ごとに価格を変えることは何も珍しいことではありません。目新しいものでもなんでもないため、逆に、割引クーポンやポイントカードを軽視する傾向すらあるといえます。

しかし、今後はこのありふれている割引クーポンやポイントカードに焦点が当たっていく可能性が高いと考えられます。というのも、スマホなどの携帯端末の進化と普及により、割引クーポンやポイントカードの利用が顧客にとってより便利になっていくからです。

携帯端末の進化により、蓄積された顧客の利用履歴や志向、嗜好などから、顧客ごとに異なる割引クーポンを配信するといったことが考えられます。紙ベースの割引クーポンだとかさばって利用しづらいというデメリットがありますが、携帯端末への発行であれば膨大な量の割引クーポンを発行してもかさばるというデメリットは生じません。数多くの割引クーポンを発行することができます。

もちろん、携帯端末を使った割引クーポンの配信を行っている店舗は少なくはないと思います。メルマガやLINE、フェイスブック、ブログなどを通じて顧客の携帯端末宛に割引クーポンを配信しているかと思います。しかし、画一的に割引クーポンを発行しているのが現状ではないでしょうか。たとえば、「この画面を提示で5%割引」といった割引クーポンをすべての顧客に配信していると思われます。

おそらく今後は、そういった画一的な割引クーポンの配信から、顧客情報を活用した個別的な割引クーポンの配信へとシフトしていくことでしょう。その際に重要なツールとなるのが「顧客データベース」です。顧客ごとに割引クーポンを変えるのであれば、元となる情報が不可欠になるからです。もし、顧客データベースを構築していないのであれば、今からでも構築するべきです。

こうした割引クーポンを活用した「価格差別」は店舗型ビジネスにおいても加速していくことでしょう。割引クーポンについて再考してみる時なのかもしれません。顧客の特性に合わせた価格戦略と販促戦略が求められていくことになりそうです。

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