回転寿司「すし銚子丸」を運営する銚子丸が好調です。2016年5月期決算は、売上高が197億円(前年同期比3.4%増)と増収となりました。

直近10年の通期の売上高は一貫して右肩上がりで成長しています。07年は126億円で、07年からの10年間一度も減収になったことはありません。競争が激しい外食産業では健闘しているといえるでしょう。

回転寿司業界の競争は激しく、名の通った大手でも苦戦しているところが少なくありません。たとえば、「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトホールディングスは3期連続で減収となっています。13年2月期の売上高は941億円、14年は933億円、15年は876億円、16年は803億円と右肩下がりで低下しています。

こうした厳しい環境下でも、銚子丸は健闘しているといえます。業界最大手は「スシロー」で、15年9月期の売上高は1350億円です。大手と比べると規模の面ではまだまだといえますが、今後はこうした大手を切り崩していく可能性が十分にあるといえるでしょう。

銚子丸の強みは「まぐろ」にこだわったメニューの充実にあります。鮮魚は早朝に水産物卸売市場で仕入れ、当日中に店舗で加工して提供しています。産地直送で鮮度の高い厳選された旬の食材を提供していることが強みとなっています。おいしい寿司を愉しむことができます。

■ 劇団員が劇場でおもてなしを行っている

銚子丸はただ「おいしい」だけを提供していません。おいしい寿司を提供する店は他にもたくさんあります。銚子丸は競合にはない差別化された価値を顧客に提供しています。それは「おもてなし」です。銚子丸では、店舗は「劇場」で従業員は「劇団員」と考えています。従業員が劇団員として、快適で活気ある空間づくりに努めています。

「劇場」を示すものとして、「まぐろ解体ショー」(不定期開催)があります。店舗で顧客の眼の前で「まぐろ」をまるごと一本、職人が包丁でさばいて解体します。解体されたまぐろをその場で注文することができます。

試しに「赤身」「中トロ」「大トロ」「ほほ肉」「頭肉」「カマトロ」を注文してみましたが、どれも新鮮で美味しかったです。しかも値段はリーズナブルです。ただ「おいしい」だけでなく、解体ショーを観る楽しさも加わります。まさに「劇場」といえるでしょう。

従業員の接客サービスのレベルが高いのも特徴的です。顧客に楽しんでもらおうという気持ちからか、解体ショーを一緒に盛り上げていました。解体ショー以外の時間の接客サービスの質も高かったのが印象的です。笑顔で元気良くテキパキと対応していました。ホールスタッフだけでなく、寿司職人の方の接客サービスも高いレベルにありました。全従業員がまさに「劇団員」と言うことができます。

■ 寿司は3割、接客サービスが7割

銚子丸の「おもてなし」の源泉は従業員にあります。銚子丸は「寿司は3割、接客サービスが7割」を標榜し、精一杯のおもてなしの接客サービスを重視しています。これは、ホールスタッフだけでなく、寿司職人にも求められることです。

銚子丸では、接客サービスの大切さを軽視する寿司職人は、たとえ握りの技術が高くても採用されません。寿司職人にも「寿司は3割、接客サービスが7割」を求めているのです。

銚子丸は産地直送にこだわっているため、出店できるエリアは限られます。また、接客サービス力が高い人材の採用にこだわっているため、従業員の人数を短期間で大量に確保することは困難です。そのため、急激な出店拡大戦略をとることができません。急成長は難しいといえるでしょう。

しかし、銚子丸のこだわりは着実に「ファン」を増やすことにつながります。緩やかながらも、一歩一歩前進していく企業です。長期的には、大きく成長していくのではないでしょうか。今後の成長が楽しみの企業といえそうです。

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