日本マクドナルドは7月22日、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」とのコラボレーションを国内のマクドナルド全店(約2900店)で開始すると発表しました。

「ポケモンGO」は、スマホのカメラを通じて現実の風景の中に現れる「ポケットモンスター(ポケモン)」のキャラクターを捕まえたりバトルしたりして遊ぶゲームです。先行配信されたアメリカなどでは爆発的な人気を集めていました。そして22日に日本でも配信が始まり、マクドナルドが単独ローンチパートナーとして、同日にコラボを開始することとなりました。

■ マックの店舗が「ポケモンGO」の拠点に

マクドナルドの約2900店舗のうち、約400店舗は他のプレイヤーのポケモンと戦う「ジム」と呼ばれる拠点となり、残る約2500店舗はゲーム内で使う道具を手に入れられる「ポケストップ」と呼ばれる拠点となります。

「ポケモンGO」は小中学生を中心とした子供たちが主な利用者となりそうです。子供たちがマクドナルドに集まり、対戦して遊ぶことが想定されます。マクドナルドは「ポケモンGO」で集客を図り、業績回復のきっかけとしたいようです。

マクドナルドは、消費期限切れ肉の使用や異物混入などの問題により業績が悪化していました。直近の2016年12月期第1四半期決算では、純損益は未だ赤字の状態です。客数が大幅に減少しています。そのため、話題性を喚起することで、遠のいている客足を取り戻そうとしています。注目を集めている「ポケモンGO」とのコラボにより、マクドナルドは集客を実現することができるでしょう。

■ 「ポケモンGO」とマックのコラボの問題点

ただ、このコラボを成功裏に終わらせるためには、マクドナルドには多くのハードルが待ち構えているといえます。短期的には集客を実現できることには間違いはありません。子供たちを中心とした「ポケモンGO」マニアが大挙して押し寄せることでしょう。

期待感から、日本マクドナルドホールディングスの株価は急騰しています。「ポケモンGO」とマクドナルドのコラボが発表された日の前日19日の株価の終値は3200円ですが、コラボ開始日の22日の終値は3620円にまで急騰しています。投資家の期待感は高まっています。

確かに、子供たちの集客は見込めます。親子で対戦するということで親子での来店もある程度は考えられるでしょう。懸念は、「ポケモンGO」に関心のない他の一般客の反応です。他の一般客がいつもどおりの環境でマクドナルドを利用できるかどうかです。

子供たちがゲームに興じて席を占拠したり騒いだりすることで、他の利用客に迷惑がかかることが考えられます。店内での歩きスマホにより他の利用客と衝突するといったトラブルも考えられます。トラブルが発展し、「バトル」がゲーム内だけでなく店舗内でも発生してしまうといったことにもつながりかねません。

こうした問題に適切に対処できるかがマクドナルドに問われることになります。店内でのモラルとマナーの遵守について利用客に注意喚起を徹底できるのか、他の利用客に迷惑をかけている客に適切な注意と指導を行うことができるのかが問われます。

■ 良識のある一般客が駆逐される懸念がある

「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉があります。悪人がのさばる社会では善人が追い払われるという意味でよく使われます。「悪貨は良貨を駆逐する」はマクドナルドにも当てはまります。モラルとマナーを守らない質の悪い客により、良識のある一般客が追い払われてしまうということです。

「ポケモンGO」の熱狂により、一部の利用客が「悪貨」となってしまう可能性を否定できません。マクドナルドは、店内で「悪貨」が発生しないよう留意しなければなりません。マクドナルドは、「ポケモンGO」による一時的な熱狂と集客に踊らされることなく、すべての利用客が快適に過ごすことができる店舗環境を長期的に構築していくことが求められるといえるでしょう。

【店舗をより良くしたい人へ】Facebookで『店舗カイゼン委員会』と検索するとグループが表示されます。『グループに参加』をクリックすると無料で参加できます。店舗をより良くしたい人が集まる新しいコミュニティです。

 icon-arrow-circle-right 詳しくはこちら