マイクロファイナンスの手法により、組織の活性化を実現することができます。

マイクロファイナンスとは、経済的に貧しい人々に対して小口の融資といったサービスを無担保、低金利、短期間で提供し、貧困から脱出する手助けを行うサービスのことです。ムハマド・ユヌスが創設したバングラデシュにあるグラミン銀行がマイクロファイナンスにより貧困解消に大きく貢献したことで有名になりました。

貧困層に対して融資を行う上で問題となるのが貸し倒れのリスクです。融資をしたものの、お金を借りた人が返済せずにどこかへ消えてしまうリスクがあります。

■ 協力ゲームの構築がカギとなる

ところで、ゲーム理論の「囚人のジレンマ」では、参加プレイヤー同士による提携行動ができない非協力ゲームのため、自己利益を追求することに強いインセンティブが生じます。自己利益を追求することで自身の利益が最大化します。マイクロファイナンスで考えると、お金を借りて返済せずにどこかへ消えることで自身の利益を最大化させることができます。

これではグラミン銀行は潰れてしまいます。そこで、参加プレイヤーによる提携行動が可能となる協力ゲームにすることで、各プレイヤーの利益を増加させることができる仕組みを構築することにしました。

お金を借りる人は5人のメンバーからなるグループに所属します。グループのメンバーは、誰かが返済に窮した場合は返済を助ける義務があります。誰かが返済できない場合は5人全員に対する融資が止まってしまうので、余裕がある人は返済に窮した人を助けるようになります。

マイクロファイナンスは小口の融資となるので持ち逃げするインセンティブが働きません。少額を持ち逃げするよりも、継続して融資を受けることにメリットがあるからです。そのため、お互いが助け合うようになります。ゲーム理論でいう協力ゲームになるのです。

グラミン銀行の創設者で経済学者のムハマド・ユヌスは2006年にノーベル平和賞を受賞しました。グラミン銀行のマイクロファイナンスにより貧困解消に大きく貢献することができたのです。

■ マイクロファイナンスの手法は組織にも応用できる

グラミン銀行におけるマイクロファイナンスの手法は企業の組織においても応用可能です。マイクロファイナンスでは、借り手は5人のメンバーからなるグループに所属し、お互いが助け合うことが求められます。たとえば、借り手は「16の決意」と呼ばれる価値観を暗唱し、守ることを求められます。

「16の決意」の一つには「私たちはつねにお互いに助け合えるよう用意する。もし誰かに困難があれば、私たちは全員で彼または彼女を助ける」という項目があります。メンバーはお互いが協力しあうことを求められます。言葉で示され求められることで、メンバーの連帯感はより高まるようになります。

マイクロファイナンスではメンバー同士が協力しあうことを言葉で示し、求めています。企業でいえば、従業員同士が協力しあうことを言葉で示し、求めているかが問われます。従業員が企業に対して協力することを求めるということはしばしば見られますが、従業員同士が協力しあうことを求めるということはそこまで多く見られません。

まずは、従業員同士が協力しあうことが大事であることを言葉で示す必要があります。スローガンとして職場に提示する、人事考課の評価項目として盛り込むといったことが考えられます。従業員同士の連帯感を深めるために、懇親会を開催する、集合研修を開催する、社員旅行を開催するといったことが考えられます。

いずれにしても、いかにゲーム理論における協力ゲームに移行させていくかが問われます。協力しないことで得られるインセンティブを抑制し、お互いが協力しあう方が利益を得られる仕組みを構築することが大事であるといえます。

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