さて、店舗経営の話です。「経営はカオスであり、フラクタルである」と私は考えます。マンデルブロは「自然はフラクタルである」と言いました。フラーデ教授は「サッカーはカオスであり、フラクタルである」と言いました。経営も同じです。ただ、サッカーとはそっくりそのまま置き換えることが難しいことがわかります。

というのも、店舗経営は「部分」であり、「全体」はマクロ経済になるからです。個々の経済活動である個店ごとの店舗経営や他の経済体が集合することで全体の経済は成り立っています。個店ごとの店舗経営が自己組織化していくことで経済へと発展していくと考えることができます。

それでは、店舗経営を「全体」として、もしくは「部分の部分」として考え、さらなる「部分」を考えた場合はどうなるのでしょうか。店舗経営のスモールワールド、つまり「部分」にあたるものがなかなか見えてこないのがわかります。サッカーでは「試合形式の練習」がスモールワールドである「部分」になります。

店舗経営では、例えば、学生などがNPOなどで農家と連携して野菜を販売するといったことで「試合形式の練習」を行い、社会人になったら実際の店舗経営を行うといったことが考えられます。実際の店舗経営を「試合」とし、NPOなどでの販売が「試合形式の練習」に該当します。

しかし、実際に店舗経営に携わっている方が「試合形式の練習」を行うことには無理があるのがわかります。店舗内に店舗経営のスモールワールドが見当たらないからです。そのためどうしても、商品開発の練習、接客の練習、陳列の練習、経理の練習、チラシ作成の練習・・・、といった構成要素で分解し個別に考えたものになってしまいます。

かつての日本サッカー界は戦術や技術、体力、精神力などを個別に考えて、それぞれを個別に練習してきたことで「テクニックやスピードはあるが、サッカーは下手」と言われました。これと同じで、店舗経営を構成要素で分解して個別に考えてしまうと、「商品開発力や接客力はあるが、店舗経営は下手」ということになってしまうのです。

「美味しい料理を提供しているのになぜか売上が上がらない」「カット技術が優れているのになぜか集客ができない」「お洒落な洋服を取り揃えているのに閑古鳥が鳴いている」「施術技術には自信があるのに競合店に押されている」

こういったことがなぜ起こるのかというと、店舗経営を構成要素で分解して個別で考えているからです。かつての日本サッカー界のように。しかし、店舗経営のスモールワールドである「部分」が見つからないというのも一方であります。では、どうすればいいのか。

■ 店舗経営には経済学や経営学が必要

店舗経営においてフラクタルの考え方を用いるために、「経済学」や「経営学」を持ち込むべきだと考えます。経済学や経営学は、市場で行われている経済活動の仕組みを解明する学問になります。経済活動という漠然とした概念を、個々の消費者の消費行動や企業の利潤最大化行動などを研究し理論化しています。

原点は個々の消費者の消費行動から始まります。個々の消費者の消費行動が自己組織化し、店舗経営や他の経済体に波及し、さらに市場経済にまで発展していくのです。店舗経営者が経済学や経営学を学んで吸収することにより、「経営」を自己のDNAと化すことができます。

赤ちゃんには「二足歩行」を可能にするDNAが組み込まれていることにより、「ハイハイ」の段階から「二足歩行」の段階へと自己組織化し成長していきます。これと同じ原理で、経済学や経営学がDNAとして組み込まれることにより、そのDNAが自己組織化し、経営の強化が図られていくのです。

経済学や経営学を敬遠する人は非常に多いです。それは、経済学や経営学はすぐに役に立つ学問ではないからでしょう。しかし、すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなります。逆に、すぐには役に立たないことは、長い目で見ると役に立ちます。そういう意味でも、経済学や経営学を学ぶことは店舗経営において、長期的に役に立つことであるといえるでしょう。

もちろん、一番大事なのは日々の経営です。その上で、その日々の経営が間違った方向に行かないようにするために経済学や経営学を学ぶのです。そして、イチローが「なぜヒットを打てたか説明できる」と述べたように、店舗経営で「なぜ店舗経営が上手くいったかを説明できる」と言えるようになる必要があるのです。

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