市場の成熟化が叫ばれて久しい今の時代に企業はどのような戦略をとる必要があるのでしょうか。

答えが見えづらい時代と言われています。何が答えかわからず、答えを求めてみな必死になっています。なりふり構わず何かに取り組んでいます。試行錯誤を繰り返しています。

こうした状況を見て、共感する人もいればバカにする人もいます。両極端な意見があるのは当然のことでしょう。ただ、経営戦略という観点で考えると、こうした「試行錯誤」は今日において、非常に合理的であると考えられています。

「アダプティブ戦略」という戦略論があります。『経営戦略全史 50 Giants of Strategy』(三谷宏治著/ディスカヴァー・レボリューションズ)で提唱されています。

アダプティブ戦略とは、環境変化の激しい状況下において、変化に対して適応できる方法を特定していく戦略のことをいいます。簡単にいうと、「何が答えかわからないので、やってみなくてはわからないのだから、とにかく試行錯誤していこう」という考え方です。

このアダプティブ戦略は比較的新しい戦略論になります。2010年代になってから強く提唱されるようになりました。それまでの戦略論が通用しづらい時代に突入したため、新しい戦略論が必要になったことが背景としてあります。

■ ポジショニング派とケイパビリティ派

時代は遡って60年代ごろ、「ポジショニング派」が戦略論において主流を占めていました。著名な経営学者のマイケル・ポーターはポジショニング派といえるでしょう。ポジショニング派の戦略論は「儲かる市場にいち早く位置すれば儲かる」という考え方になります。

儲かる市場が豊富にあった時代なので、競合より早く市場に参入すれば儲けを独占することができました。しかし、その儲けを狙った競合の参入により、確実に儲かる市場は徐々になくなっていきました。ポジショニングの戦略だけではどうにもならなくなってしまったのです。

そこで、80年代ごろから「ケイパビリティ派」が台頭しました。ケイパビリティ派は「自社の強みを最大限に生かして勝負しよう」という考え方を提唱しました。強みを武器に競合に打ち勝っていく戦略を描いていったのです。

目を外に向けるのではなく、内に向けることで活路を見出そうとしました。強みを磨いて競合に打ち勝つことで儲けをもぎ取ることを主眼とします。領域のパイはそれほど大きくなくても、自社の強みが生かせる領域でトップになればそれなりの規模にはなるからです。

しかし、時代が経つにつれてケイパビリティ派の考え方も陳腐化していきました。強みを生かして生き残った企業があらゆる分野で誕生しました。そして、市場は細分化されていったのです。

■ アダプティブ戦略の台頭

その後、多少の紆余曲折を経て試行錯誤アプローチを主眼とするアダプティブ戦略が台頭しました。ポジショニング派でもケイパビリティ派でもない、いまの時代を生き抜くための新しい戦略論です。

時代が混沌としている現代において、もはや試行錯誤なくして答えは見つからない時代となってしまっています。試行錯誤することを躊躇してはいけません。私たちは定まった答えがない時代を生きています。

試行錯誤には失敗はつきものです。小さな失敗をいちいち気にしていたら何もできません。大きな失敗をしなければ問題はありません。致命傷にさえならなければいつでも次に進むことができます。

試行錯誤をバカにする人は戦略論をわかっていない人たちです。気にする必要はありません。いまの時代を生き抜くためには、試行錯誤の「アダプティブ戦略」が最適なのです。

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