利益がでない商品・サービスを廃止しなければならないことがあります。ただ、費用構造の解釈を間違えてしまうと、本来廃止するべきではない商品・サービスを廃止してしまうといった間違いを犯してしまうことがあります。

「損益分岐点」を把握することが大事です。損益分岐点とは、売上高と費用の額がちょうど等しくなる売上高または販売数量のことをいいます。簡単にいうと、黒字と赤字の境目です。

単品の商品・サービスで考えてみます。損益分岐点を下回り利益がでない、つまり赤字の商品・サービスは廃止するべきでしょうか。実は、必ずしも廃止するべきではないというのが答えになります。

「赤字の商品・サービスなのだから、廃止しないと損失を垂れ流すことになるのでは?」と思われた方がいるかもしれません。確かに損益分岐点を下回る商品・サービスは利益をだすことができないのですが、売上高が変動費と個別固定費をカバーできているのであれば、廃止しないほうがいい場合があります。

費用は「変動費」と「固定費」に分けることができます。さらに、固定費は「共通固定費」と「個別固定費」に分けることができます。個別固定費とは各商品・サービス個別にかかる固定費のことで、共通固定費とは全ての商品・サービスに配賦される固定費のことです。

損益分岐点を下回るということは売上高が費用を下回る状態なので、変動費と固定費の一部をカバーできないことになります。ただ、変動費と個別固定費をカバーできているのであれば、廃止しないほうがいい場合があります。

たとえば、ある商品・サービスの売上高が10,000円、変動費が6,000円、個別固定費が3,000円、共通固定費が2,000円だとします。売上高が10,000円で費用が11,000円なので1,000円の赤字です。

一見すると赤字の商品・サービスなので廃止した方がいいように思えますが、この場合では売上高(10,000円)が変動費(6,000円)と個別固定費(3,000円)の合計(9,000円)を上回っているので、必ずしも廃止するべきではないといえます。なぜかというと、廃止した場合、この商品・サービスの共通固定費の2,000円を他の商品で回収しなければならなくなってしまうからです。

廃止しない場合は、共通固定費の2,000円のうち1,000円をその商品・サービスで回収することができるので、残りの1,000円だけを他の商品・サービスで回収すれば済むことになります。共通固定費は全ての商品・サービスで賄う必要があります。もし売上高が変動費と個別固定費の合計よりも下回る場合は廃止するべきです。

ちなみに、売上高と変動費と個別固定費の合計が等しい点、もっと正確にいうと平均費用と限界費用が等しい点のことを「操業停止点」といいます。文字通り操業を停止するべきかどうかの境目となる点、つまり商品・サービスを廃止するべきかどうかの境目となる点となります。

赤字の商品・サービスだからといって安易に廃止してはいけません。変動費と個別固定費をカバーできているのであれば存続を検討するべきです。商品・サービスの存続や廃止の判断は、費用構造を分析した上で慎重に行う必要があるのです。

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