東芝は12月27日、米国の原子力発電事業で数千億円規模の減損損失が出る可能性があると発表しました。コストの大幅な増加により資産価値が当初の想定を大幅に下回ることが影響するとみられています。

減損損失とは、投資に見合った金額の回収が見込めない資産の価値を切り下げる会計処理に伴い、損益計算書に計上される損失のことです。減損損失の対象となる資産は幅広くあります。例えば、上場株式など時価のある資産は、取得時より価格が5割以上下がると下落分の損失計上が必要となります。

減損損失は東芝が15年末に買収した米原発子会社のウエスチングハウスが米原子力サービス会社のCB&Iストーン・アンド・ウェブスターを買収したことで生じます。買収時の査定の甘さにより、実際の価値以上に買収額を見積もったことが原因のようです。

東芝といえば一般的にはテレビ等の映像機器やパソコンのイメージが強いと思われますが、実際の事業では原子力などの発電システムや送変電・配電システムといったインフラ事業にも強みを持ちます。2016年3月期の「電力・社会インフラ」事業の売上高は2兆484億円、売上高構成比は36.1%にもなり、業績を牽引しています。

主力事業の中から減損損失が生じることになり、大きな衝撃が走っています。15年3月期の連結最終損益は378億円の赤字、16年3月期は4600億円の赤字です。今期は1450億円の最終黒字の見通しだったため、数千億円の減損損失になれば今期も最終赤字に陥る公算が大きいといえます。そうなれば最終赤字は3期連続となります。

16年3月期では原子力事業で2476億円の減損損失を計上していました。資金調達環境の悪化を割引率に反映した結果、公正価値が減少しました。そうした中でさらなる減損損失の計上を予定しています。

16年9月末の株主資本は3632億円です。株主資本を超える損失の計上で債務超過の恐れも出てきます。東京証券取引所の上場廃止基準に抵触する可能性もあります。会計不祥事に追いうちをかける形となりました。東芝は危機的な状況にあるといえるでしょう。

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