「自分探しの旅」と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。多種多様な考え方があると思いますが、どうも「負のイメージ」がつきまとうように思います。

インターネットで「自分探しの旅」と検索すると、「自分探しの旅では自分は見つからない」「自分探しって笑える」「自分探しの旅をすると嫌われる」といった否定的な意見が目立ちます。

自分探しの旅といえば、元プロサッカー選手の中田英寿氏が2006年に「新たな自分探しの旅に出たい」と表明し、海外を中心に放浪の旅に出たことが多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。この時、中田英寿氏は世間や有名人の嘲笑の的になりました。「彼が何をしたいのかわからない」「なぜ海外なのか」「何をやっているんだか」といった否定的な意見が多かったことを記憶しています。

■ オバマ大統領は最後の演説で何を語ったのか

ところで、アメリカ合衆国第44代大統領のバラク・オバマ氏は1月10日夜(日本時間11日午前)、地元シカゴで任期最後の演説を行いました。2期8年を振り返るものです。米国が大きな景気後退から脱したこと、オバマケアを推進したこと、テロとの戦いで成果をあげたことなどを挙げ、政権の成果を強調しました。

演説の詳細はさておき、私が注目したのは、オバマ大統領が演説の最初の方で述べた「I first came to Chicago when I was in my early twenties, still trying to figure out who I was; still searching for a purpose to my life. 」という一節です。

日本語に訳すと「20代前半で初めてシカゴに来たとき、自分探しを続け、人生の目的を追い求めていた」となります。オバマ大統領は20代前半は「自分探しの旅」の最中だったというのです。オバマ大統領は自分探しの旅を行なった結果、様々な人と出会い、様々な体験をし、自らが動くことで変化が生まれることを知りました。

■ 自分探しの旅は合理的

このことは意外でした。オバマ大統領はハーバード大学を卒業し、弁護士になりました。そして合衆国上院議員になり、大統領に就任しています。いわゆるエリートです。もちろん苦労や挫折を味わっていないとは思っていませんが、まさか「自分探しの旅」に出ていたとは露ほども思っていませんでした。世界の頂点に立っていると言っても過言ではないアメリカ大統領が自分探しの旅に出ていたのです。

逆にいうと、自分探しの旅に出かけなければ「アメリカ大統領」というものを見つけることができなかったともいえます。探した結果、「自分が探し求めていたものはアメリカ大統領だった」と気づくことができたのでしょう。

前述の中田英寿氏は先日、国際サッカー連盟(FIFA)の諮問機関「国際サッカー評議会(IFAB)」の諮問委員にアジア代表として任命されたと報じられました。自分探しの旅に出たと嘲笑されたこともありましたが、今では世界のサッカーを動かすポストに就くほどになっています。自分探しの旅に出ていなければ出会えなかったのかもしれません。

オバマ大統領と中田英寿氏の例から、自分探しの旅に出なければ自分自身や自分がやりたいことは見つからないのかもしれません。探したいものがあるのであれば探す以外に方法はない、という単純なロジックともいえます。であれば、自分探しを嘲笑するということは論理が破綻していると考えることもできます。オバマ大統領の演説から、そのようなことを思いました。

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