2017年1月20日付日本経済新聞は、「カジュアル衣料品店「ファッションセンターしまむら」を運営するしまむらは、商品の値下げをほぼ自動で店舗に指示するシステムを2016年中に実用化する」と報じました。

売れ行きが不振の商品の値下げをITシステムが判断し、売れる価格に値引きし、販売期限までに売り切ることで収益を最大化させるようです。

衣料品は季節や天候の影響を強く受けるため一般的には販売期限があり、一定期間で売り切る必要があります。季節や天候の影響で急激に販売が落ち込むことがあります。そのため、売れ行きが思わしくない商品は早い段階で値引きを行い、売れる価格に設定して販売を促進する必要があります。

値下げの判断が遅くなると在庫が過剰になり、売り場や倉庫のスペースを圧迫してしまいます。また、在庫一掃のための値下げは獲得できる利益を減らしてしまいます。一方、早い段階で値下げしてしまうと、より多くの利益を得る機会を逃してしまう機会損失が生じてしまいます。しまむらは値下げの判断をシステムで行うことで収益の最大化と業務の効率化の実現を目指すようです。

■ 新システムの問題点

値下げは、売り上げの推移や在庫状況、消化率といった情報を分析してシステムが判断します。このシステムが本格的に稼働すれば効率は高まるでしょう。ただし、このシステムを本格稼働する上で一つ大きな問題があります。それは「天候」です。衣料品は天候の影響を強く受けます。それをシステムがどのように自動判断するのかという問題があります。

というのも、システムが将来の天候を正確に判断するのは困難だからです。気象庁の天気予報を例に挙げます。気象庁は天気予報の精度の検証結果を公表しています。例えば過去10年間の、予報発表した翌日の「降水の有無」の的中率は80〜85%程度です。まずまずの的中率でしょう。しかし、週間予報だと65〜75%に低下してしまいます。精度は年々上昇していますが、この程度の精度では「当たるかどうかはわからない」と言っているのと同じです。

以上より、将来の天候の予測は正確にはわからない不確実性が高い事象といえます。そうであれば、将来の天候の判断をシステムが行う必要性は高くはないといえます。とはいえ、天候以外の部分はシステムで自動化することのメリットはあります。売り上げの推移や在庫状況、消化率といった過去の事実からの分析であればシステムは威力を発揮します。

しかし、未来の予測である天候の要素を加味するとなると、やはり最終的には人間の判断が不可欠でしょう。人間の勘や予想も頼りにはなりませんが、結果責任を負うことができるのはシステムではなく人間だからです。

いろいろ問題点がありそうですが、しまむらの新システムには注目が集まりそうです。

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