カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は書店・レンタル店「TSUTAYA」の展開やポイントカード「Tポイント」の運営などを行う企業です。

TSUTAYAは多くがフランチャイズ展開です。他の企業とフランチャイズ契約を結び、ロイヤリティを徴収するというフランチャイズビジネスを行っています。

■ Tポイントを活用したビジネスを展開

同社が提供するTポイントカードは、当初は顧客がTSUTAYAでレンタルをする際に提示するための会員証で、TSUTAYAを利用するたびにポイント(Tポイント)が付与されるだけのサービスでした。現在は提携している企業の店舗でも利用できるようになり、各社のポイントを共通化するにまで発展しました。

企業が単独でポイントカードを発行・運用するには大きなコストがかかります。複数企業で利用できるポイント・プログラムであるTポイントは、参加する企業にとってはコスト面において魅力的なシステムといえます。

Tポイントは、提携先企業によってポイントの付与率や還元率は違いますが、多くは支払額が100円か200円につき1ポイントが付与され、1ポイント使用につき1円が還元される仕組みになっています。

顧客の立場からすると、ポイントを一つのカードにまとめることができるため、ポイントカードで財布がかさばらなくなるメリットがあります。また、様々な生活シーンでポイントを貯めて使用することができることも魅力的です。

企業としては、一つのカードで顧客を囲い込むことができるメリットがあります。Tポイント加盟企業間で顧客の往来が発生するため、来店客数と売り上げの増加が期待できます。

Tポイントの成功で鍵となるのが加盟企業の数の多さと幅広さです。そのため、CCCは「Tライフドミナント」を推進しています。衣食住から教育、レジャー、住宅といったあらゆる生活シーンでTポイントが利用できるようにする戦略です。全ての業種で利用できることを目指しています。

ちなみに、Tポイントの収益はポイントを発行する企業がCCCに対して「1%未満のシステム利用料」(2008年5月26日「日経MJ」より)を支払うことで成り立っています。

CCCは加盟企業に対してTポイントを活用した「データーベース・マーケティング」のサービスを提供しています。Tポイントでは、顧客が申し込む際に氏名、住所、性別、年齢などの個人情報を記入してもらいます。また、顧客がTポイントを利用するごとに購買履歴が蓄積されます。こうした個人情報や購買履歴情報を活用して、Tポイント提携企業のマーケティング支援を展開しています。

加盟企業は提供される情報を活用することで、顧客に対してワントゥーワンマーケティング(顧客に対して個別的に行うマーケティング)を行うことができます。販売促進活動や商品開発、出店計画の立案などでも利用できます。

一企業だけで顧客情報を収集・分析することは、コストの問題があるため容易なことではありません。CCCの「データーベース・マーケティング」では同社が持つ豊富なデーターベース(ビッグデータ)を活用することができます。加盟企業にとっては魅力的なサービスといえます。

TSUTAYAの出店においても、Tポイントのデーターベースが大きな力を発揮しています。Tポイントに蓄積された各店舗の立地特性情報や顧客情報を活かして、立地選定や品揃えを行うことができるからです。

■ ブックカフェを拡大

CCCは新業態での店舗展開も積極的に行っています。CCCとスターバックスは2005年に、「Book&Café」(ブックカフェ)のコンセプトで、スターバックスの店舗とTSUTAYAの書籍売場が融合した、新しい店舗業態を展開していくことについて合意しました。

ブックカフェでは、TSUTAYAで販売している書籍や雑誌を併設のスターバックスで読むことができます。書籍や雑誌は購入しなくても読むことができます。CCCが2003年に東京・六本木で初めて提案したブックカフェは瞬く間に全国に広がりました。

ちなみに、スターバックスとのブックカフェでは書籍や雑誌を購入しなくてもスターバックスで読むことができるため、一見すると、TSUTAYAにはメリットが無いようにも思えます。しかし、併設のスターバックスはTSUTAYAがフランチャイズ契約で運営するため、たとえ書籍や雑誌が売れなくても、スターバックスでのコーヒーなどの販売で売り上げを上げることができるため、TSUTAYAにもメリットがある仕組みになっています。

この仕組みでは書籍や雑誌が売れなくなってしまうイメージがありますが、スターバックスでじっくり試し読みができるため、その後の購買に繋がることも少なくありません。書籍や雑誌の販売にも大きく貢献しているのです。

TSUTAYAとスターバックスによるブックカフェは、スターバックスの利用客とTSUTAYAの利用客の親和性の高さに着目したビジネモデルといえます。本を読む人はカフェを利用することが多いからです。

■ 蔦屋書店を拡大

「蔦屋書店」も新業態といえます。TSUTAYAとは別に展開している書店です。TSUTAYAの原点となる店舗が1983年に大阪に誕生しましたが、当初の名前は蔦屋書店でした。

蔦屋書店は「本、映画、音楽を通して、若者たちにライフスタイルを提供する」ことを目指しました。しかし、30年以上の年月が経ち、当時の若者は今となっては若者ではなくなりました。ターゲットとしていた顧客層とTSUTAYAが提供する価値観との間にずれが生じていったのです。

そこで、当初の顧客世代であった団塊の世代に再度向き合い、新しいマーケットを掘り起こすために、2011年代官山に「代官山 蔦屋書店」を開業しました。代官山に開業したのは、若いクリエイターが集まる代官山という土地で、団塊の世代と若い世代の間に化学反応が起こることを期待してのことでした。

店舗の建築デザインは特徴的です。多彩なジャンルのクリエイターが参加して建設されました。ニューヨークの人気カルチャー系サイト「Flavorwire」において「世界でもっとも美しい書店」に日本で唯一、「代官山 蔦屋書店」が選ばれたほどです。

書籍や雑誌の品揃えも特徴的で、クルマや旅行、料理、歴史、文学、アートといった分野に注力し、他の書店とは一線を画した構成になっています。それぞれの分野に精通したコンシェルジュが常駐し、基本的にはコンシェルジュが選定した書籍や雑誌が置いてあります。

CCCは20~30代がコアな顧客層でしたが、少子高齢化の進展により、若い層だけでなく、団塊の世代を中心としたシニア層をも取り込む必要性が生じてきました。新たな成長のステージに移行するためにも、CCCは「代官山 蔦屋書店」を開業することにしたのです。

CCCは佐賀県武雄市から指定管理者として「武雄市図書館」の運営を受託し、2013年4月1日にリニューアルオープンしました。武雄市図書館は、従来の図書館とは全く異なるコンセプトを展開しています。

武雄市図書館は蔦屋書店、スターバックス、レンタルソフト店が併設しています。コーヒーを片手に読書やおしゃべりを楽しむことができます。様々なライフステージの市民に対して、心地よい場所とコミュニティを提供しています。スターバックスでは、貸し出し図書や販売用の書籍や雑誌の持ち込みが可能です。読書はもちろん、仕事や友人とのおしゃべりをすることができます。

武雄市図書館ではデザイン性の高い書架や家具、照明を採用しています。読書をするためのスペースを大きく確保しています。車椅子の利用者に配慮した施設構造にもなっています。従来の図書館とは異なる、今の時代の人々が求めている価値観を提供しているといえます。

平日でも駐車場は満杯になるほどで、市内に留まらず、市外からも多くの人が来館しています。全国から注目を集める話題の施設となりました。CCCの武雄市図書館の運営は新しい試みです。今までになかった発想での挑戦といえるでしょう。

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