玩具メーカーで世界のトップを走るレゴを見ていきます。

レゴはデンマークにて、家族経営の玩具工房としてスタートしました。レゴ(LEGO)の名前は、デンマーク語の「よく遊べ(Leg Godt)」が由来です。

創業当時は木製の自動車玩具などを販売していました。その後、プラスチックの使用が広がり、プラスチック製の玩具を作り始めるようになりました。その一つとして、ブロックの上部に複数の突起がある、結合するプラスチック製ブロックを開発しました。

当初、プラスチックを玩具に取り入れることに消費者や小売店の理解が得られませんでした。しかし、レゴは世間の批判や嘲笑に屈することなく開発を続けました。

プラスチックの素材の改良を進め、ブロックの結合の安定化を図るなど、製品のクオリティの向上に努めていきました。様々な困難がありましたが、改良が加えられ、レゴブロックとして世界に広がっていきました。

レゴブロックは同じレゴの製品であれば、どのようなパーツでも組み合わせることができます。20年以上前のレゴブロックでも現在販売されているレゴブロックと結合させることができます。いつまでも世代を超えてレゴブロックで遊ぶことができます。

こうしたレゴブロックの特徴が評価され、ビジネス誌の「フォーチュン」はレゴブロックを「The Toy of Century(20世紀最高の玩具)」に選定しました。

レゴは商品開発において10のルールを設けています。

「遊びに無限の可能性」
「女の子にも、男の子にも」
「どの年齢の子どもも夢中になる」
「一年中遊べる」
「子どもに刺激を与え、調和のある遊び」
「飽きがこない遊び」
「想像力と創造力を伸ばす」
「使うほどに遊びの価値が増す」
「常に現代的」
「安全で高品質」

この普遍的なレゴブロックの10のルールは、現在もあらゆるレゴ製品に受け継がれています。

■ レゴは高コスト体質企業になり業績が低迷

レゴは顧客が求める商品を開発し、絶え間なく新商品を投入していきました。しかし一方で、顧客のニーズを取り入れることだけに邁進したがために、コスト面がなおざりになっていた時期がありました。高コスト体質による利益の圧迫と、競争力低下による売り上げの低迷を生じさせてしまったこともありました。レゴは1998年から2004年までの間に赤字を4回計上したことがあります。

レゴは独創的なアイデアと職人的なこだわりで革新的な商品を開発していきました。一方、独創性とこだわりの行き過ぎにより商品構造は複雑化し、材料費や製造費用が必要以上に高まってしまいました。新商品の開発のたびに必要となる原材料のサプライヤーを開拓していたため、無秩序にサプライヤーの数は増長していきました。管理するだけでも大変な手間とコストがかかるようになりました。

製品製造では製造設備の汎用化が困難となり、納期管理の困難化や生産計画の無計画化、需要予測の精度低下などが起こりました。設備稼働率は低下する一方でした。

無秩序にサプライヤーが増加する一方で、取引先の販売店も無秩序に増加していきました。販売店が増加すれば販売機会が広がるので売り上げ向上につながります。しかし、配送センターでの仕分作業が増加し、配送コストと在庫費用は上昇してしまいます。増加した費用を製品価格に転嫁せざるを得なくなっていました。

■ 高コスト体質からの脱却

高コスト体質になったレゴは抜本的な改革を行いました。製品の開発から調達、生産、流通、販売に至るまでのサプライチェーン全ての最適化を図りました。

まずは製品開発面の見直しを推し進めました。毎年の売り上げの4分の3は新製品で成り立っていました。新製品を開発するたびに製品は複雑化し、利益を圧迫していきました。

そこで、製品の簡素化を図るためにブロックの色の種類を減らしました。また不要なフィギュア(海賊や警官といった人形)の種類を減らしました。新製品を開発する際はできる限り仕様の変更が伴わないよう、統一化されたフォーマットを使用しました。

調達の見直しも推し進めました。サプライヤーの絞り込みを行ったことで原材料などの適正価格の分析と設定についての交渉が容易になりました。こうすることで原材料費の高まることを抑制することができるようになりました。

生産に関しての見直しも行いました。それまでの製造工程では、すべての製造機械であらゆる部品や製品を製造してきたため、段取り替え(品種や工程内容が変わる際に生じる段取り作業のこと)が継続的に発生していました。このことが製造コストを押し上げる要因になっていました。

このことを改め、特定の機械で特定の部材を製造できるように改善し、段取り替えの発生を抑えるようにしました。また、単純な製品の製造を海外の工場にアウトソーシングし、製造費用を低減させることに成功しました。

流通に関しても改革を推し進めました。ロジスティックプロバイダーの絞り込みを行うことで、規模の経済によるコストダウンが可能になりました。

また、流通経路が簡素化されたことで製品在庫のトレース(追跡)が容易になり、納品リードタイムの短縮化と在庫管理の精度向上に大きく寄与しました。これにより販売店での在庫欠品に対して迅速に製品の供給が可能になり、販売機会ロスを大きく低減させることができました。

こうしたサプライチェーンの抜本的な改革により収益性は大きく改善しました。2005年には、2002年以来初となる利益の計上を実現することができたのです。

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