物事には「二面性」がつきものです。 Xという側面とYという側面があり、Xが正しいと言う人もいれば、Yが正しいと言う人もいます。表には裏があるように、だいたいにおいて物事には表と裏、XとYといった二面性があるものです。

どちらかが間違っていて、正しい答えが一つしかない場合もありますが、多くはどちらも正しいということが往々にしてあります。見る人の位置によって視点が異なるだけで、どちらも間違いではないことが大半です。

一例として「商品開発」で考えてみます。商品開発の際にアイデア出しのポイントとして「顧客が欲しがっているか?」という問いを投げかけることがあります。この問いに対して、「顧客が欲しがっているものを提供するべき」と主張する人と、「そうではない」と反対の主張をする人の二つに分かれることがあります。さて、どちらが正しいのでしょうか。

■ ドラッカーとスティーブ・ジョブズは異なる見解を示している

例えば、経営学者のピーター・ドラッカーは著書『マネジメント』で「『われわれは何を売りたいか』ではなく、『顧客は何を買いたいか』を考える」と述べ、顧客が欲しがっているかどうかを重視するべきと主張しています。

一方、著書『スティーブ・ジョブズ II』でスティーブ・ジョブズは「『顧客が望むモノを提供しろ』という人もいる。僕の考え方は違う。顧客が今後、なにを望むようになるのか、それを顧客本人よりも早くつかむのが僕らの仕事なんだ」と述べたとしています。「顧客の要求を満たすよりも偉大な製品を作ることを優先する」ともあります。

ピーター・ドラッカーは「顧客が欲しいものを提供するべき」と主張しています。しかし、スティーブ・ジョブズは、「それはあまり重要ではない」と主張しています。一見すると、両者は真っ向から対立する意見の持ち主のように思えます。しかし、これはどちらかが間違っているということではありません。どちらも正しく、物事には二面性があることを示しているに過ぎません。

業界の先端を行く企業であれば、スティーブ・ジョブズのような考え方がないと業界を引っ張っていくことができません。そういった企業であれば、顧客の要求を満たすものを開発すること以上に、顧客が欲しがるかはわからないが革新的なもの開発する必要があるといえます。

一方、業界の先端を行く企業でないのであれば、顧客が欲しがっているものを提供することは理にかなっているといえます。顧客が欲しがっているのだから、そういった商品・サービスを提供すればすぐに売れます。

どちらの考え方も間違っているわけではないことがわかります。立場や状況によって採用するべき戦略が異なるだけで、どちらも正しい考え方といえます。ただ、人によって正しい解は異なります。立場や状況によって異なります。

大事なことは、物事には二面性があることを認識し、どちらが自身にとって正しい側面なのかを正しく理解し選択することです。一面だけ見て、それだけで正しいか正しくないかを判断することは危険といえるでしょう。

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