企業の人件費が上昇しています。財務省の法人企業統計によると、金融業・保険業を除いた産業の2016年10〜12月時点の人件費は前年比2.0%増の44兆4012億円です。高水準で推移しています。

役員を除いた従業員の給与と賞与を合わせた従業員の賃金は1.0%増の35兆1403億円で、人件費の79.1%を占めています。従業員一人あたり月平均賃金は36万5千円で、15年10〜12月に続いて36万円台に乗せています。

人件費が高水準で推移している理由は、昨今の人手不足に対応するために賃金の引き上げや非正規社員の正社員化を推し進めている企業が多いためと考えられます。

■ 労働分配率は低下基調

人件費は上昇傾向を示しています。一方、企業収益の伸びと比べた場合、人件費の伸びは緩やかです。企業の利益を賃金などで労働者に分配した比率を表す労働分配率は低水準を示しています。

2016年9月3日付日本経済新聞は「財務省の法人企業統計から算出した2015年度の労働分配率は66.1%で、リーマン・ショック前に企業の利益が膨らんだ07年度(65.8%)以来の低さとなった」と報じ、労働分配率が低水準であるとの見解を示しています。また、「15年度の内部留保は377兆円で前年度比6.6%増となった」とあり、企業の内部留保は増えているとしています。

現在、政府は経済界に対して賃上げを強く求めています。企業の儲けを労働者への分配に向けさせる政府の要請が今後さらに強まることが予想されます。人件費は当面の間、上昇していくでしょう。労働分配率はいずれ上昇に転じると思われます。

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