事業の規模にしろ、組織の規模にしろ、「規模」には「適正な大きさ」というものがあります。

規模は基本的に大きい方がいいとされます。もちろん小さい方がいい場合もありますが、一般的には大きい方が好ましいでしょう。売上高が1億円よりは10億円の方が好ましいと多くの人が思うのではないでしょうか。

規模は基本的に大きい方がいいのですが、ただ適正な規模というものを無視して大きくしてしまうのは誤りです。規模には適正な大きさというものがあります。適正な大きさを超えてしまうとその規模を保つことができなくなります。

経営学者のドラッカーは自身の著書『企業とは何か』で次のように述べています。

「一九二〇年代に急速な成長軌道に乗ったとき、GMの経営陣は市場の完全支配を目指さず、強力な競争相手が残ることのできるよう、自らのシェアを抑えることにした。それは、博愛的な善意や政治的な配慮のためでなく、自らのマネジメントと利益のためだった。強力な競争相手の存在と市場シェアの増大との間に矛盾のあることは明らかである。すなわち事業には、それ以上成功することは自らにとって有害であるという分岐点がありうるということである」

規模をむやみやたらに大きくするのではなく、適正な規模の大きさを知り、その範囲内でコントロールすることが求められます。場合によってはGMのように競争相手にシェアを譲って自らの規模を意図的に抑えることが必要です。

適正な規模がどれくらいなのかは、対象が何なのか、マネジメントする主体がどのような状況にあるのかなどによって大きく変わってきます。一概にこうだと言うことはできません。

とはいえ、それでは身も蓋もないので、一つの参考となる考えを紹介します。人間関係や組織のマネジメントでいえば「150人」が規模の限界となります。これは人類学者のロビン・ダンバーが提唱し、「ダンバー数」として知られています。

また、歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリは自身の著書『サピエンス全史』で次のように述べています。

「社会学の研究からは、噂話によってまとまっている集団の『自然な』大きさの上限がおよそ一五〇人であることがわかっている。ほとんどの人は、一五〇人を超える人を親密に知ることも、それらの人について効果的に噂話をすることもできないのだ。今日でさえ、人間の組織の規模には、一五〇人というこの魔法の数字がおおよその限度として当てはまる」

私たちの言語は「噂話」のために発達したといいます。「○○部長についていけば間違いない」「△△さんは裏切る人間だから気をつけろ」といった噂話で人間関係は成り立っています。その噂話を効果的にまとめることができる範囲が150人というのです。

いずれにしても、規模には適正な範囲があります。その範囲を見極める嗅覚を身につけることが大事でしょう。適正な範囲を超える場合は、新たな器が必要になります。例えば、新たな統括組織を設けたり、別の事業を模索したりするといったことが求められるのです。

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