一般的に言われている「顧客至上主義」は間違った考え方です。「お客さまのために」という考えだけで仕事をしてはいけません。実は、このことを十分に理解していない人が結構多いのです。

訓示やアドバイスにおいて部下に「お客さまのために」という言葉を安易に使ってはいないでしょうか。本質を理解しないでこの言葉を使ってしまうと、部下は誤った行動をとるようになるでしょう。「お客さまのために」という言葉は本質をついた言葉ではありません。

なぜ「お客さまのために」は本質をついた言葉ではないのでしょうか。「恋愛」で考えるとわかりやすいでしょう。

例えば、ある男性がある女性を好きになったとします。その男性はその女性のために、優しくしたり、プレゼントを贈ったり、デートに誘ったりするでしょう。

その女性がその男性に好意を寄せているのであれば何も問題はありません。しかし、お互いが好意を寄せ合うことになるとは限りません。その女性がその男性のことを何とも思わない、もしくは嫌悪を感じるということもあるでしょう。この場合、「相手のために」という考えは悲劇を生みます。

その男性は「その女性のために」アプローチを続けます。しかし、その女性は迷惑に感じ拒否反応を示します。その男性は、「誠意が足りない」「相手を思う気持ちが足りない」のだと思い、その女性のためを思いアプローチをより強めます。そして、その女性は警察署に駆け込むことになります。

商売も同じです。例えば、来店客に販売員が接客したとします。その来店客は特に買いたいものがあるわけではなく、特に気に入ったものもその店にはなかったとします。その販売員は「お客さまのために」あれこれ商品を勧めます。しかし、その来店客はどれも気に入りませんでした。その販売員は「お客さまのためを思う気持ちが足りない」のだと思い、その来店客が気に入るだろうと思われる商品を複数ピックアップし、商品知識を総動員して商品の魅力をこれでもかとアピールしました。その来店客はうんざりし、その店に来店することは二度とありませんでした。

「お客さまのために」という考え方が100%間違っているというわけではありません。しかし、「お客さまのために」という考え方にはどうしても「押しつけ」が入ってしまいます。それが恋愛では「ストーカー」になってしまい、商売では「押し売り」になってしまうのです。

正しい答えは「お客さまの立場で」考えることです。「お客さまのために」ではなく「お客さまの立場で」考えて行動するのです。この二つには大きな違いがあります。

先ほどの例で言えば、「お客さまの立場で」考えた結果、例えば「自店にはその来店客が求める商品はないので、その来店客が求めている商品を扱っている他の店を紹介する」が正しい答えとなります。この場合、その来店客が自店に欲しい商品があると感じているかどうかを察知できるかがカギとなります。これは「お客さまの立場で」考えなければ達成できないことです。

この場合、ライバルの売り上げに貢献することになってしまう可能性があります。しかし、その来店客はその販売員の誠意に感銘し、回り回ってその店のファンになる可能性が高まります。商売は「評判」が非常に重要で、評判を得るためには「お客さまの立場で」考えて行動する必要があるのです。

それでは、どうしたら部下が「お客さまの立場で」考えて行動できるようになるのでしょうか。一つは、以上で説明した「お客さまのために」と「お客さまの立場で」の違いを繰り返し説明することです。原理の違いを思考で理解してもらう必要があります。

もう一つは、ロールプレイングです。「お客さまの立場で」行動するパターンというものがあるのでそれを定型化し、それを繰り返しロールプレイングで練習するのです。パターンの定型化とは、「お客さまの立場で」行動した事例を集めて分析し雛形をつくることです。その定型化した雛形を朝礼やミーティングでロールプレイングするといいでしょう。

「お客さまのために」ではなく「お客さまの立場で」行動できる集団にしましょう。評判と顧客満足が高まり、集客と売り上げの向上が実現できるでしょう。

【無料メールマガジン】メルマガ「売上倍増戦略講座」が無料です。

下記フォームからお申し込みください

 

空メールでも登録できます