セブン&アイ・ホールディングス(HD)は前会長の鈴木敏文氏に役員退職慰労金などで総額11億3200万円を支給しました。

2017年2月期の有価証券報告書によると、固定報酬の他に、傘下のセブン―イレブン・ジャパンが役員退職慰労金を5億9000万円、イトーヨーカ堂が5億円を支払っています。

鈴木氏は1973年にセブン―イレブン・ジャパンの創業を主導し、20年以上にわたりトップとしてグループを率いてきましたが、昨年5月に人事の混乱を巡って会長職を退任し名誉顧問に就任していました。

さて、約11億円の役員退職慰労金は高いとみるか低いとみるか。役員退職慰労金は当該企業が決めることなので外野がとやかく言うことではないのですが、世間の注目は高いため簡単に考察してみたいと思います。

鈴木氏は他に類を見ないほどの敏腕経営者であり、役員退職慰労金は億単位の話なので、似た事例が少ないという問題があります。そのため、比較での検証は困難でしょう。どうしても主観的に話さざるを得なくなります。

ちなみに、似たような事例で記憶に新しいところでは、定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD)が亡くなった実質的な創業者の三森久実氏に対して、功労金約2億円を支払うと先日発表したことが挙げられます。同社は役員退職慰労金制度を廃止しているため、株主総会で承認を得て支給する方針です。一時は8億円を支払う意向があったとも言われています。

大戸屋HDにとって功労金2億円は決して小さな額ではありません。2017年3月期の売上高は256億円、最終的なもうけを示す純利益は3億円です。簡単に支払える状況ではありません。一方、セブン&アイHDの2017年2月期の売上高は4兆5156億円、純利益は967億円です。ちなみに2016年2月期の純利益は1609億円です。ある程度の余裕がある状況といえるでしょう。

鈴木氏に支払われた役員退職慰労金の約11億円という金額は、個人的には「低い」という印象があります。これほどの高収益企業に育て上げた実績と貢献に対してもっと報いてもいいのではないかと感じます。財務的にも大きな問題にはなりません。

とはいえ、役員退職慰労金は業績に比例して累積的に膨らむような性質のものではないという側面もあるため、十数億円程度が上限ラインなのかもしれません。それに鈴木氏の場合、おそらく保有株式からの収入もあるでしょうし、それ以上を求める必要もないのかもしれません。

セブン&アイHDは業界のリーディングカンパニー、鈴木敏文氏は業界のカリスマです。両者の一挙手一投足に今後も注目が集まりそうです。

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