私は、成果をあげる人のタイプなどというものは存在しないことにかなり前に気づきました。一部の人を除き、多くの人の能力に大差がないということに気づきました。成果は人の「能力」の問題ではなく、「活用」の問題だと気づきました。

もちろん、例えばプロ野球選手で成功するためには生まれながらの才能や卓越した身体的特徴といった非凡な能力が求められ、そういった職業で活躍できるだけの類稀な能力をもっている人も中にはいます。このレベルでは「能力」が重要な要素で、能力がなければ務まらないでしょう。

しかし、そういったごく一部の人を除き、多くの人の能力には大差はありません。部長も平社員も、右隣に座っている人も左隣に座っている人も、前を歩いている人も後ろを歩いている人も、能力に大差はありません。

採用面接の時の印象があまり良くなかった人でも、数年後に大活躍する人もいます。能力があると思って採用した人でも、数年後には組織の足を引っ張る存在になってしまう人もいます。おそらく、この二人の能力はどんぐりの背比べで大差はないでしょう。これは人の「活用」の問題であって、多くの場合「能力」の問題ではありません。

成果をあげるには人の「活用」が非常に重要です。人の能力に焦点を当ててもあまり意味がありません。なぜなら、人の能力に大差はないからです。採用に時間と労力をかけ過ぎても意味がありません。なぜなら、人の能力に大差はないからです。「能力」の問題ではなく「活用」の問題だからです。極端な話、最低ラインを超えていたら全員採用、もしくはサイコロで採用を決めても問題ないでしょう。極論ですが。

経営学者のドラッカーは自身の著書『経営者の条件』で「私は、成果をあげる人のタイプなどというものは存在しないことにかなり前に気づいた。私が知っている成果をあげる人は、気質と能力、行動と方法、性格と知識と関心などあらゆることにおいて千差万別だった。共通点はなすべきことをなす能力だけだった」と述べています。

ドラッカーは成果をあげる人の共通点は「なすべきことをなす能力だけ」と述べています。能力は関係ないと言っているのです。「なすべきこと」というのは、その人自身の自発的な意思も関わりますが、多くの場合は経営者や上司が示すものです。活用する側の問題です。

「なすべきこと」とは例えば「使命(ミッション)」や「目標」「仕事」といった類のものです。すなわち、それは経営者や上司が与えるものです。ドラッカーは「なすべきことをなす『能力』だけ」と言っていますが、ここでの「能力」は手足が動かせるだけの能力でいいのです。

ドラッカーは同著書で「成果をあげることは一つの習慣である。実践的な能力の集積である。実践的な能力は修得することができる。それは単純である。あきれるほどに単純である。七歳の子供でも理解できる。しかし身につけるには努力を要する。掛け算の九九を習ったときのように練習による修得が必要となる。六、六、三十六が何も考えずにいえる条件反射として身につかなければならない。習慣になるまでなんども反復しなければならない」とも述べています。

ドラッカーは、成果をあげるには習慣が大事で、習慣になるには「反復」が重要だと述べています。「反復」に特殊な能力は必要ありません。手足が動かせるだけの能力で十分です。「反復」は「能力」の問題ではなく「やる気」の問題です。やる気は使命や目標を与えることで引き出すことができます。すなわち、経営者や上司の「活用」の問題なのです。

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