軍事の話ですが、攻撃よりも防御の方が圧倒的に有利なことは歴史に鑑みると明らかです。

もちろん、そうでない場合もあります。例えば、一撃で仕留められる、あるいは一撃で大打撃を与えることができる場合は攻撃の方が有利です。局地的、あるいは短期的な場合は攻撃の方が有利でしょう。

ただ、長期的な場合は圧倒的に防御の方が有利です。これは、戦いにおいては「戦闘力」よりも「兵站」の方が重要性が高いことによります。兵站とは、部隊に物資などを支援する活動のことです。どんなに戦闘力が高い人でも食料がなければ生きていけません。そのため、長期的な戦いでは兵站がより重要になります。

兵站は軍事用語ですが、ビジネスで言えば「ロジスティクス」にあたります。ロジスティクスは平たく言えば「物流」のことです。アマゾン・ジャパンの強さの源泉の一つとして物流を挙げることができます。国内にある自社の物流センターから商品を配送します。神奈川県小田原市にある物流センターは東京ドーム約4個分の広さがあるほどです。アマゾンは物流網を強化していきました。今日のアマゾンの強さの秘密は物流にあるといえるでしょう。

ニトリの強さも物流にあります。「製造物流小売業」を標榜し、物流機能を自前で抱えています。初期の頃から物流を自前で抱えることにこだわったといいます。物流網を築くには莫大な費用がかかるため初期の頃は経営が苦しかったといいます。しかし、次第に自前の物流網の強みが発揮されるようになり、今では利益に大きく貢献するようになっています。

アマゾンもニトリも、長期的な視点ではロジスティクスが大きな威力を発揮しています。長期的な経営を考える場合、ロジスティクスを軽視してはならないことがわかります。

とはいえ、ロジスティクスを小さな企業や店が自前で抱えることは困難です。本稿では「ロジスティクスを自前で抱えよう」ということを言うつもりはありません。「経営における考え方としてロジスティクスの重要性を認識する」という程度に抑えて話を進めていきます。

「ロジスティクスが重要である」ということを言い換えると、「持久戦を戦える態勢を整える」となります。つまり、短期的に勝とうとするのではなく、長期的に考えて勝とうとする戦略になります。

例えば、ビジネスをしていると競合が敵対的な攻撃を仕掛けてくることもあるでしょう。騙そうとする人もいるでしょう。そういった攻撃に対しては反応しないことが一番です。もしくは、戦うふりをして相手を油断させて、相手の兵站を奪う程度にしておきます。勝とうとするのではなく、消耗戦にもっていくのです。長期的な戦いにもっていけば、圧倒的に「防御」の方が有利になります。

クラウゼヴィッツは『戦争論』で「消極的意図、すなわち純然たる抵抗にすべての手段を集中することに戦闘上の優位性があり、この優位性が敵の優勢を相殺するほどに大きい場合、敵の国力の消耗を当初の政治的目的ともはや釣りあわないところまで次第に増大させるように戦闘をただ継続しさえすれば、敵は政治的目的を放棄せざるをえない。このような理由から、敵を疲弊させるこの方法が、弱者が強者に抵抗を意図する場合に広く用いられているのである」と述べています。

弱者がビジネスで勝利するには消耗戦に勝ち抜くだけのロジスティクス・兵站が重要です。これには、生きていくだけの最低限の物資があれば事足ります。兵站が何かは人によって異なりますが、いずれにしても兵站を確保することが最優先です。兵站を確保し、持久戦に持ち込みます。攻撃するのではなく防御に徹します。勝つことよりも負けないことを優先します。そして、時を見て攻勢に出るのです。

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