2017年8月26日付日本経済新聞は「J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店では、2018年2月期(国際会計基準)から店長の評価指標に『総資産利益率(ROA)』を導入する」と報じました。

ROAは「Return On Asset(総資産利益率)」の略称で、利益を総資産で割って算出する経営指標です。小売業でROAを評価指標にするのは珍しいと言えるでしょう。

大丸松坂屋は今期のROA(営業利益ベース)の見通しを平均で4.6%としています。「店舗ごとに目標水準は変えるが、『全店平均で5%以上』(若林勇人取締役)を目指す」(日本経済新聞同記事)とのことです。

ROA(営業利益ベース)は「売上高営業利益率」と「総資産回転率」に分解することができます。以下に示す式でそのことを確認できます。

ROA(総資産営業利益率)
=営業利益÷総資産
=(営業利益÷売上高)×(売上高÷総資産)
=売上高営業利益率×総資産回転率

以上の式から分かる通り、ROAを高めるには売上高営業利益率と総資産回転率を高める必要があります。

売上高営業利益率を高めるには、利益率の高い商品の販売を強化したり、無駄な経費を削減したりする必要があります。

総資産回転率を高めるには、適正な在庫量で売上高を確保したり、遊休資産を有効活用したりする必要があります。

このため、ROAを管理するには、「損益計算書」と「貸借対照表」を分析する能力が必要となります。売上高と利益を示す数値や構成要素は損益計算書から、総資産は貸借対照表から知ることができるからです。財務分析能力が求められます。

政府は6月に公表した成長戦略「未来投資戦略 2017」で、ROAの水準向上を目標として掲げました。「大企業(TOPIX500)のROAについて、2025年までに欧米企業に遜色のない水準を目指す」と表明し、ROAを新たにKPI(重要業績評価指標)として設定するとしています。

大丸松坂屋でROAを店長の評価指標に導入する背景には、こうした政府の方針も影響していそうです。

【無料メールマガジン】メルマガ「売上倍増戦略講座」が無料です。

下記フォームからお申し込みください

 

空メールでも登録できます