近年、「機械化」や「ロボット化」といった言葉がよく飛び交っています。

野村総合研究所と英オックスフォード大学の研究によると、日本の労働人口の約49%が人工知能(AI)やロボットなどで代替可能といいます。

こうした機械化やロボット化の波は店舗型ビジネスにも押し寄せています。

例えば、流通大手のイオンは全国の加工センターにロボットを導入し、生鮮食品加工の自動化を実現しようとしています。

エイチ・アイ・エス(HIS)が運営する「変なホテル」ではロボットが運営・接客することで有名です。

「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスは、ファミレスなどの席上でロボットが接客する実証実験を開始しています。

これらの話は全体の一部です。こういった話は、他にあげればきりがないでしょう。いずれにしても、機械化やロボット化が急速に進んでいることは間違いありません。

日本経済の成長が鈍化し全体のパイが大きくならないのであれば、生産性を高めて取り分をできるだけ大きくする努力が必要となります。そのためには、機械化やロボット化が避けて通れないといえるでしょう。

ただ、何でもかんでも機械化・ロボット化すればいいというわけではありません。なぜなら、機械化・ロボット化は生産性を向上させたり人手不足を解決したりする手段となりますが、一方で人手不足につながる可能性もあるからです。

単調な仕事などを機械やロボットに代替させる分には問題ありません。ただ、仕事の「やりがい」を代替させてしまっては問題が生じます。やりがいを奪われてしまったために従業員が辞めてしまい、逆に人手不足に陥ってしまう可能性があります。

ここで、2017年8月28日付日本経済新聞に掲載の田中陽氏によるコラム「経営の視点」を紹介します。以下に一部を抜粋したものを掲載します。

「有力コンビニは狭い店でも高収益をたたき出す。自動化、省力化の努力を惜しまないが、最大手のセブン―イレブン・ジャパンはあえて聖域を残している。商品や数量を決める発注業務だ」

「労働集約な小売業の生産性向上の議論は人の仕事を機械に置き換えることに進みがちだが、小売業で働く意味、醍醐味を知らないと机上の生産性向上になりかねない」

私はこの主張に全面的に同意します。仕事のやりがいまで機械やロボットに代替してしまっては、逆に生産性が下がってしまいます。本末転倒と言えるでしょう。

セブンイレブンでいえば、「発注業務」はやりがいのある花形業務といえます。それを自動化してしまえば従業員からやりがいが奪われ、モチベーションは下がってしまうでしょう。そのことを理解しているから、セブンは発注業務を機械やロボットで代替せず、聖域として残しているのです。

機械化やロボット化は逆に難しい問いを突きつけているといえます。経営者や上司が部下に対して「働く意味」「仕事の醍醐味」をより意義深く伝えなければならなくなるからです。働く意味や仕事の醍醐味を伝えることは機械やロボットではできないでしょうから。

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