米アマゾン・ドット・コムが買収した、米食品スーパーのホールフーズが即値下げしました。

2017年8月30日付日本経済新聞は「米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムによる米食品スーパーのホールフーズ・マーケットの買収が28日、正式に完了した。ホールフーズの店頭では商品を最大で43%値下げするなど、アマゾンは買収効果をすぐさまアピールした」と報じました。

アマゾンは大胆な値下げを断行しました。ホールフーズは自然食品や有機食品など品質にこだわった食品を扱う「高級スーパー」です。大幅な値下げは「安売りする店」というイメージがついてブランドが毀損するリスクがありますが、そのリスクを厭わずに値下げを断行しました。

ただ、今回の値下げではそういったリスクは最小限に抑えられそうです。値下げは買収が完了したタイミングで行われました。今回の値下げには「きっかけ」があります。値下げにはきっかけや大義、理由が必要です。それがなければブランドが毀損します。

ホールフーズの値下げでは「買収が完了した」というきっかけがあるため、ブランドの毀損を最小限に抑えることができています。「アマゾンが企業努力で安くしてくれた」といった感じで好意的に受け止められているでしょう。

それにしても、値下げするための原資はどこにあるのでしょうか。値下げにより利益は減るはずです。そのため、何かで補填する必要があります。おそらく、アマゾンが稼いだ利益などから得られた資金や資産を振り向けるとみられます。

アマゾンは潤沢な資金や資産を保有しています。2017年1〜6月期末の「現金及び預金」は132億ドル(約1兆5000億円)、短期間で現金化、費用化できる「流動資産」は410億ドル(約4兆6000億円)もあります(いずれも未監査)。

こうした潤沢な資金や資産を値下げの原資に充てることができます。儲けているアマゾンならではと言えるでしょう。

アマゾンならではといえば、「今後、アマゾンはホールフーズの店頭にネット通販の商品を受け取ったり返品できたりする専用ロッカーを設置する」(日本経済新聞同記事)とし、実店舗とネット通販の融合「オムニチャネル」を推し進めることもそうでしょう。

オムニチャネルと称して実店舗とネット通販を実施する企業は少なくありませんが、「融合」と呼べるレベルで実行できているところは多くはありません。それぞれを別々で行なっているだけのところも少なくありません。

オムニチャネルでは、実店舗とネット通販のそれぞれの弱みを相互で補い、それぞれの強みを相互で磨きをかけていくことが求められます。

アマゾンによるホールフーズの買収では、名実を兼ね備えたオムニチャネルを推進することになりそうです。ただ値下げして売るだけではアマゾンとホールフーズの相乗効果は見込めず、オムニチャネルとも呼べません。ホールフーズの商品をアマゾンのチャネルでネット通販したり、ホールフーズでアマゾンの商品を受け取れるようにするといった、融合された施策を行って初めて相乗効果が得られ、オムニチャネルと呼べるでしょう。

アマゾンはホールフーズを傘下に収めたことで、オムニチャネルにさらなる磨きをかけていくことになりそうです。

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