リーダーシップを発揮するために必要なことを一つ挙げろと言われたら、あなたは何を挙げるでしょうか。

リーダーシップを構成する要素は多岐に渡ります。例えば、他人の行動に影響を与える潜在能力である「社会的勢力」についての研究では、次の6つの分類を挙げています。

報酬勢力…報酬を与える能力を基盤とした勢力
強制勢力…従わない場合に発生する罰の予想から生じる勢力
正当勢力…正当な権利であるとして影響力を行使する勢力
準拠勢力…その人のようになりたいという気持ちを抱かせることを基礎とした勢力
専門勢力…専門的知識の豊富さにより問題解決能力を示す勢力
情報勢力…特定の情報の保持や情報を発信することにより影響を与える勢力

「この仕事をやり遂げられなければ降格になる」と思わせてリーダーシップを発揮するのは報酬勢力に該当するでしょうか。

「とにかくやれ」と指示するのは強制勢力に該当するでしょう。これもリーダーシップを発揮する上での一つの方法といえます。

いずれにしても、リーダーシップの源泉として「社会的勢力」という考え方があります。

とはいえ、リーダーシップに関する研究は数多くありますが、社会的勢力についての研究は数あるリーダーシップに関する研究のうちの一つにすぎません。他にもたくさんあります。

こうしたことからも分かる通り、人によってリーダーシップに対する考え方や定義は千差万別です。そのため、リーダーシップを構成する要素は多岐に渡るといえるでしょう。一つだけを挙げるのは難しいことかもしれません。

さて、冒頭の「リーダーシップを発揮するために必要なことを一つ挙げる」という問いに対して、一つに絞るのは難しいながらも、私は「模範」を挙げたいと思います。

「模範」を言い換えれば「背中で見せる」になるでしょうか。言葉であれこれ言うのではなく、黙って先頭に立って「行動している姿」を見せつけることです。「行動」には、「生き様」や「立ち居振る舞い」、「やって見せる」といったことも含まれます。とにかく、影響を与えたい人に対し背中で見せることです。

これは、6つの社会的勢力でいえば「準拠勢力」に該当するでしょうか。その人のようになりたい、その人のように行動したいといったような気持ちを抱かせることになります。

模範はリーダーシップの源泉となります。多くの人に絶大な影響力を及ぼします。

例えば、ナチスの強制収容所で過酷な生活を送ったヴィクトール・フランクルは「模範」が多くの人に対して強い影響を及ぼしたと述べ、その重要性を指摘しています。

「収容所で集団を対象に精神的ケアをほどこす可能性はきわめて限られていた。これには言葉よりも効果のあるものがあった。模範だ。たとえば居住棟の班長の中に公正な人物がいたが、その毅然とした、見ているだけでも勇気づけられる存在は、ことあるごとに彼の統率下の被収容者に深く広く影響をおよぼしていた」(『夜と霧』みすず書房/著者:ヴィクトール・E・フランクル/訳者:池田香代子)

フランクルは模範が言葉以上に他者に影響を及ぼしていたといいます。範を示すことは、人に対して勇気を与え、無言の影響を与えていたというのです。これは普遍的な概念ではないでしょうか。古今東西を問わず、状況や人を選ばないことといえます。もちろん言葉も大事ですが、それ以上に範を示すことがリーダーシップを発揮する上で求められるのです。

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