「なぜあの人が社長に?」
「Bさんが部長になれたのは社長のお気に入りだからだ」
「会長の息子という理由だけで社長になれた」

会社の人事の話は酒席における話のネタの鉄板です。これらは、従業員が集まる酒席で交わされがちなフレーズではないでしょうか。とはいえ、誰もが納得する人事であればこのような話がなされることはありません。不可解な上層部人事が行われてしまうと、このような話で居酒屋談義に花が咲いてしまいます。

ただ、居酒屋談義で済めばいいのですが、あまりにも不可解な人事が断行された場合、従業員のモラールが低下し、組織運営に支障をきたしてしまいます。最近でいえば、セブン&アイ・ホールディングスにおいて上層部人事のプロセスの不透明さで混乱をきたした例が代表的でしょう。

不可解な人事と従業員に思われてしまう一つの理由として、上層部を選定する際の社内プロセスの不透明さと基準の曖昧さがあります。選定プロセスが不透明で基準が曖昧なため、恣意的に決めたとみなされてしまうのです。納得性が低下する要因といえるでしょう。不可解と思われないためにも、選定プロセスは透明化し基準を明確化するべきといえます。

とはいえ、社内の従業員に対して上層部人事の透明性や明確性を担保する必要はないという考え方も一方であります。人事は会社の専権事項だからという理屈が成り立たないということはないといえるでしょう。特に小さい企業であればあるほど、そういった理屈が通るといえるかもしれません。

一方で、上場企業となるとそうはいきません。投資家など対外的に説明する必要があります。年々その必要性が高まっています。そうしたなか、「後継者育成計画(サクセッションプラン)」と呼ばれるものに注目が集まっています。後継者育成計画は文字通り、後継者を育成する計画のことです。

例えば、「大丸」や「松坂屋」、「パルコ」などを展開するJフロントリテイリングは2015年に後継者(次期経営陣幹部)計画を策定し、上層部選定のプロセスの透明化と基準の明確化を図っています。現在の計画では、実績や第三者機関の評価に加え、戦略思考、リーダーシップ、成果への執着心、組織開発力、人材育成力の5つの観点から候補者を評価するとしています。

5つの観点を、Jフロントが策定した「コーポレートガバナンス方針書」から抜粋してみました。

【JFRグループ 経営人材のあるべき姿】

「戦略思考」
市場・顧客の変化を能動的に分析し、これを多角的に活用することで課題の本質を洞察し、中長期的視点で戦略を打ち出し目的達成に向けて先見的かつ革新的な独自解決策を考察する。

「変革のリーダーシップ」
先例や過去事例にとらわれることなく挑戦心を持って新しい取組みを実行し、リスクを恐れず、組織に健全な危機感を醸成しながら変革のステップを推進する。

「成果を出すことへの執着心」
高い目標に対する使命感と挑戦心とを持って、達成するまで諦めず成果が出るまでやり抜く。

「組織開発力」
組織目標の達成に向けてビジョン・戦略をメンバーに浸透させ、組織の諸要素(業務・仕組み・文化風土・人材)に働きかけて組織に内在するエネルギーや主体性を最大限に高め、成果につなげる。

「人材育成力」
「人は仕事を通じて成長する」という人材育成の考え方のもと、課題付与・成果の振り返り評価・育成プランの策定の一連のプロセスを通じて、メンバーの成長力を最大限に高める。

上記の5つの観点はJフロントという大企業が策定したものですが、中小企業や小規模企業でも取り入れることができる部分があるのではないでしょうか。

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