6月から施行された改正酒税法の影響が予想外に大きいようです。

10月9日付の日本経済新聞にサントリービールの山田賢治社長のインタビュー記事が掲載されていましたが、一部を以下に引用して掲載します。

――6月の(ビールの安売り規制を目的とした)改正酒税法の影響はどうだったのでしょうか。

「約30年、ビール営業に携わってきたがこんなに消費の景色が変わったのは初めてだ。店頭価格の値上げ幅は約10%と大きく、これも初めて。6月以降、家庭用では前年比で約5%減(市場全体)、居酒屋などの業務用で約3%減(同)となっている。9月も業務用はよくない。天候要因もあろうが明確な理由はまだ分からない」

以上が引用です。6月の改正酒税法の影響についての日本経済新聞記者の質問に対し、山田社長は想定外に影響が大きかったと答えています。「こんなに消費の景色が変わったのは初めてだ」と表現し、驚きを隠していません。

改正酒税法では、正当な理由なしに酒類を総販売原価を下回る価格で継続して販売することを禁止しています。そのためスーパーなどで、店頭価格が10%程度値上がったとしています。また、鳥貴族などいくつかの大手居酒屋は酒類などの値上げに動いています。

こうした動きに消費者は敏感に反応しました。節約志向を強める消費者の理解が得られず、値上げが敬遠された格好となりました。酒税法が改正された理由や背景にあった政治の動きなどを消費者は許容できなかったと考えられそうです。

こうした状況のなか、アサヒビールは2018年3月の出荷分から、業務用を中心としてビール系飲料を値上げすると発表しました。具体的には、ビール類の瓶・樽詰、リキュールの樽詰、焼酎の樽詰のリターナブル容器商品が値上げの対象です。

値上げの理由として、ビール類の市場が94年をピークに減少しているなか、瓶・樽詰のリターナブル容器商品は特に減少幅が大きく、瓶商品の16年出荷数量が08年比で約40%減少し、樽詰商品が約8%減少していることを挙げています。そして、改正酒税法や物流費の上昇などの影響もあるため、アサヒビールは値上げに踏み切りました。

アサヒビールがこのように値上げに踏み切ったため、サントリービールも追随したいところです。しかし、冒頭のインタビュー記事にもあるように、販売価格の上昇で売れ行きが良くない状況のため、値上げは慎重に判断したい考えがありそうです。

酒類を取り巻く環境は厳しさを増しています。一方、来年4月から施行される改正酒税法に伴う制度変更が光明となりそうです。ビールの定義が見直され、麦芽比率が50%以上であればビールとみなされる(それまでは67%以上)ようになります。使用できる原料の幅が広がるため、商品開発の自由度が高まります。

消費者の厳しい視線が向けられるなか、ビールメーカーや小売店、飲食店は情勢を慎重に見極めながら対応していくことになりそうです。

【無料メールマガジン】メルマガ「売上倍増戦略講座」が無料です。

下記フォームからお申し込みください

 

空メールでも登録できます