スーパーなどで産地直送を掲げる野菜や果物の売り場「農家の直売所」が増えています。

東京都渋谷区のサミットストア笹塚店に「農家の直売所」がありました。

「農家さん家(ち)から直送!!」と書かれたパネルの下に野菜や果物が並べてありました。通常の青果コーナーとは別に設けてあります。パネルの上には生産者の顔写真と名前などが掲載されていました。生産者の顔が見えることをひとつの売りにしているようです。

生産農家とスーパーの売り場を結びつける「農家の直売所」のシステムを提供しているのが農業ベンチャーの農業総合研究所(農総研)です。「農家の直売所」を2017年8月末時点で全国約1000店の小売店に導入し、登録生産農家は約6800人に達しています。

「農家の直売所」は既存の流通システムとは大きく異なります。既存の流通では農業協同組合(JA)や市場、仲卸といった中間流通業者が介在しますが、「農家の直売所」ではそういった中間流通業者が介在しません。そのため、流通日数は既存の流通だと3〜4日必要ですが「農家の直売所」では1日で済み、鮮度の高い青果を提供できるといいます。

また、既存の流通では中間流通業者が出荷先の小売店や店頭での販売価格と販売数量を決めますが、「農家の直売所」ではそれらの決定権が生産農家にあります。生産農家は好きな店舗、好きな価格で販売できるのです。

既存の中間流通業者を介さないため、高い利益率を確保することができます。農総研によると、生産農家の手取りは、既存の流通では販売価格の30%程度ですが、「農家の直売所」だと農総研への手数料を差し引いて65%程度になるといいます。ただし、売れ残った場合は生産農家がそのリスクを負う必要があります。

生産農家は全国各地にある農総研の集荷場(17年8月末時点で約70カ所)に青果を持ち込み、箱に出荷先の荷札を貼るだけです。それを農総研と契約した物流会社が各小売店に運び、店舗の担当者が売り場に陳列します。