近年、飲食店や小売店における値上げや値下げの動きに注目が集まるようになりました。また、政府はデフレからの脱却を図るために物価目標を設定し、国全体の商品・サービスの価格を引き上げようとしています。近年こういった「価格の動向」に注目が集まっています。

「価格の動向」に焦点を当てた指標のひとつに総務省が毎月発表する《消費者物価指数(CPI)》があります。同省はCPIを「全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの。すなわち家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもの」と定義しています。

CPIは「経済の体温計」とも呼ばれ、経済政策や企業経営を行う上での重要な指標となります。

CPIは、基準となる年の平均値を100とし、比較する年月において基準年と同じ数量を購入した場合の価格の変化を数値で知ることができます。例えば2015年を基準年とし、比較したい年月が2017年11月だとして、比較年月の指数が仮に110だとすると、基準年である2015年の平均値は100になるので、「110÷100=1.1」と導き出すことができ、つまりこの間で物価が1.1倍になったということを意味します。

それでは、基準年を2015年とし、1970年1月から2017年11月までの全国消費者物価指数の総合指数の推移を見ていきます。

70年1月の総合指数は30.8でその後はどんどん伸びていきました。しかし、90年代初頭に起きたバブル崩壊により景気が後退したことで総合指数は伸び悩み、90年代初頭から96年までは95〜98程度で推移していきます。

97年4月に消費税を5%に引き上げたこともあり、その後は100前後で推移します。00年代と消費税を8%に引き上げた14年4月前までの間は97〜100程度で推移し、消費増税後から17年11月までは100前後で推移しています。

「総合指数」、「生鮮食品を除く総合」、「生鮮食品とエネルギーを除く総合」の3つのCPI(15年=100)に関して、13年1月〜17年11月までの前年同月比の推移を見ていきます。

14年4月から急激に上昇していますが、これは前述したとおり消費税を8%に引き上げたことが大きく影響しました。15年4月から16年10月までの「生鮮食品とエネルギーを除く総合」が他の2つよりも対前年比で大きく上回ったのは、原油やLNGなどの資源価格の値下がりを背景に、エネルギー価格が全体的に下落したためです。

「外食」のCPI(15年=100)を「総合指数」と比較して、13年1月〜17年11月までの動きを見ていきます。

2つの動向は似ていますが、14年4月以降は「外食」の方が高い上昇率を示しています。小売業の方がより値上げに慎重であるためとみられます。