女子大生のハンバーガー店経営物語

第二章 父の決断

第二節

「職を捨てよ、店を開こう」

 そのような言葉が天から降ってきた。いや、心の底からの願望なのかもしれない。突然の言葉だったのだろうか。言葉が積み重なってのことなのだろうか。わからない。ただ、茂之の心は一つに収斂していった。
 茂之が誰にも明かしていなかった秘密。それは会社を辞めてハンバーガー店を開くことだった。
 茂之はアメリカ各地のハンバーガーを食べ歩いた。本場のハンバーガーの味を舌に染み込ませていった。

 そして冬美が退院してしばらくしてから、茂之は会社を辞めると家族に告げた。
「お父さんがそうしたいならすればいいと思う」とすみれは小さな賛同を示した。
 冬美も同様だった。大賛成というわけではなかったが、反対されなかっただけでも救いだった。

 茂之は半年後に会社を辞めた。

 その後、茂之は個人経営のハンバーガー店と大手ハンバーガーチェーン店の2店でアルバイトを始めた。あえて、マイスバーガーは外すことにした。

 2年ほどハンバーガー店でアルバイトをして経験を積んだ。
 個人経営店ではハンバーガーの調理の経験を積むことができた。シアトル駐在時、手作りでハンバーガーを作って食べていた経験を生かすことができた。
 大手ハンバーガーチェーン店では、主に店舗オペレーションを学ぶことができた。学生時代にマイスバーガーでアルバイトをしていた経験を生かすことができたため、比較的すぐに覚えることができた。色々なことを経験させてもらうことができた。

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