女子大生のハンバーガー店経営物語

第四章 強みと弱み

第一節

 すみれは店を手伝うことになった。ただ、普通に手伝うだけでいいのかという疑問を抱くようになった。冬美が入院する前から売り上げが低迷していた。
 ただ手伝うだけでは売り上げは回復しないとすみれは直感的に思った。家族とはいえ、アルバイトとしての仕事ではなく、経営者として参加する必要があると考えた。

 すみれは雄一郎に相談することにした。経営コンサルタントがボーイフレンドであることにすみれは感謝した。すみれは雄一郎に静かに切り出した。
「雄一郎さん、相談したいことがあるの」
「お店のことかい?」
「え、あ、うん。お店のこと。お母さんが入院したことは話したよね」
「聞いた」
「今の状況だと、お店が回らなそうなの。だから、私、手伝おうと思って」
「それはいいことだ」
「アルバイトじゃなくて、本格的に働こうと思っているんだ。そうなると、雄一郎さんと旅行に行けなくなっちゃうよ」
「旅行ならいつでもいけるだろ」
「うん。ごめんね」
「俺でよければいつでも相談に乗るから。一応、経営コンサルタントだしね」
「ありがとう。私がお店を立て直してみせる」

 雄一郎は全面的に協力することを約束した。すみれのボーイフレンドだからということもあったが、すみれが示した静かな闘志を見て協力しないわけにはいかないと感じた。すみれの決断にただ感心した。
 ただ、すみれは経営の知識を持ち合わせていない。闘志や意気込みだけでうまくいくほど経営は甘くない。雄一郎は自分の出番だと感じた。

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