女子大生のハンバーガー店経営物語

第五章 機会と脅威

第二節

 雄一郎が二人を諭すように強めの口調で次のように言った。
「機会を考える場合、今の時代を考察する必要があります」
「今の時代?」と茂之は言った。
「そうです。今の消費者が求めているものです。消費者が求めるものは刻一刻と変化していきます。その変化に合わせてハンバーガーを変えた方がいいと思います。それともう一つ。アメリカ仕込みのハンバーガーというのは確かに強みになります。でも、ここは日本です。ファッションであれば国の違いはあまり重要ではないのかもしれません。ただ、味覚はそうではありません。味覚は国によって大きく異なります。日本人の味覚に合った味にした方がいいと思います。そして、それを決めるのは消費者です。これも消費者に聞いた方がいいと思います」
 すみれは雄一郎の意見に大きく頷いた。思い当たることがあった。以前、すみれの友人がバーガーサンデーで食事をした。その後に友人が「ダイエットしていなければ毎週食べに行くんだけどね」と何気なく言っていたのを思い出した。
 その時はたわいない会話に過ぎなかったが、今考えてみると、健康志向が叫ばれる今の世の中でバーガーサンデーのハンバーガーは特に女性には敬遠されるのではないかとすみれは思った。

 実は、すみれはバーガーサンデーのハンバーガーの味は大味で繊細さに欠けると思っていた。自分だけの感覚かもしれないと思っていたが、雄一郎の意見を聞いて、それが大きな問題であるようにすみれは思えてきた。
 そこですみれはすかさず提案した。
「じゃあ、私の大学の友人を呼んでハンバーガーパーティーを開くというのはどうかな。タダで招待する代わりに、アンケートに答えてもらうようにするの。日本の大学生だし、流行にも敏感だから。近所の人を招待してもいいし」
「それは良いアイデアだね」と雄一郎が同意した。
 二人の意見に茂之は渋々同意した。こうしてハンバーガーパーティーの開催が決まった。

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