女子大生のハンバーガー店経営物語

第六章 立て直し

第一節

 SWOT分析を終えた三人はさっそく決めたことを実行に移していった。まずはアンケートを改めた。
 注文伝票にアンケート用紙を必ず添えるようにした。そして「よろしければアンケートにご協力お願いします」と一言添えるようにした。
 意外にも、客は嫌な顔をせずにアンケート用紙を受け取ってくれた。すぐに記入できるように、鉛筆と消しゴムも備え付けた。

 数週間後、かなりの数のアンケート用紙が集まった。全体的に評価は良かったが、中には厳しい意見もあった。
「店員さんが無愛想」
「トイレが汚れていた」
「ハンバーガーの提供が遅い」
「美味しいけどカロリーが気になる」
 様々な意見が寄せられた。

 愛想については、笑顔のトレーニングをすることで解決しようとした。笑顔は持って生まれたものではなく、表情筋が鍛えられているかどうかで決まると誰かが言っていたのをすみれは思い出した。
 休憩室に鏡を備えて毎朝一分間、鏡の前で笑顔をつくるトレーニングを行った。茂之は当初、笑顔がうまくできなかった。口元がプルプル震えて引きつっていた。その光景を見たすみれは笑いを抑えるのに必死だった。
 最初は不自然な笑顔しかつくれなかった茂之だが、徐々に自然な笑顔ができるようになった。口元は引きつることなく、白い歯がくっきりと見える、自然な笑顔ができるようになった。

 トイレの清掃状況の改善についても取り組みを始めた。トイレの清掃状況の悪さを指摘するアンケートが複数寄せられていたが、ほとんどが女性からだった。
 茂之はトイレについては特に問題はないと思っていた。しかし、特に女性はそうではなかったことがアンケートで判明したことは収穫だった。男性と女性の感性の違いを、アンケートを通して茂之は理解することができた。
 すみれはトイレの汚さには気づいていたが、忙しさのあまり、無意識のうちに目をそらしていた。アンケートを見て反省した。

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