女子大生のハンバーガー店経営物語

第六章 立て直し

第二節

 ハンバーガーの提供の遅さについては難しい問題だった。オーダーを受けてから調理するため、提供は遅くなりがちである。作り置きすることができない。
 費用をかけずに早く提供できないものか。三人は思案したが妙案は思いつかない。皆一生懸命動いていて無駄はないように思える。それではなぜ提供が遅くなってしまっているのだろうか。

 答えを出すのに煮詰まっていたので、一息入れようと茂之が休憩を提案した。
「みかんでも食べてリラックスしよう」
「そうだね。私、持ってくる。冷蔵庫の中だっけ?」
「いや、倉庫の奥の方にあるよ」
「わかった。持ってくるね」
 すみれは倉庫に向かった。しばらくしてすみれはみかんを持って戻ってきた。
「遅かったな」
「みかんが奥の方にあったから。みかん箱の上に置いてあった段ボールを下ろすのに時間がかかっちゃって。結構重たかったから」
「倉庫を見せていただけませんか」と雄一郎が口を挟んだ。
「いいけど。どうして?」
「ハンバーガーの提供を早くするための答えがあると思いまして」
「倉庫に?」
「はい」
「別に構わないけど」
「それでは見させてもらいますね」

 雄一郎は倉庫へ消えていった。しばらくして雄一郎は戻ってきた。
「食材がいろいろ積んでありますね。それと、小型の冷蔵庫もありました」
「常温でも保存できるものは倉庫で保管しているんだ。厨房の冷蔵庫に入りきらない分は倉庫の冷蔵庫で保管している」
「なるほど。だからみかん箱が奥の下の方に置いてあるんですね」
「そうだったかな」
「これでは効率が悪くなりますね」
「厨房で保管できない分は倉庫に置く必要があるから」
「取りに行くにも時間がかかります」
「確かに取りに行くのは時間がかかるけど、見ての通り厨房が狭くて冷蔵庫が小さいから仕方がないんだよ」
「食材を減らせば済むかもしれませんね」
「必要な分しか置いてないから減らすことはできないよ。今より減らしたら品切れを起こしてしまう」
 茂之は仕方がないと言わんばかりにできない理由を述べていった。確かに茂之がいう通り、食材を減らしてしまえば品切れが起きてしまう危険がある。雄一郎は品切れを回避しつつ食材を減らす方法を考え抜いた。

 雄一郎は思案の末、食材を減らす方法を思いついた。ハンバーガーの種類に着目したのだ。雄一郎は解決策として次のように述べた。
「ハンバーガーの種類が多いので食材の種類が多くなってしまいます。種類が多いと、全体の量も多くなってしまいます」
「ハンバーガーの種類が多過ぎるってこと?」
「そうです。確かハンバーガーだけで16種類あったと思います。半分の8種類にしましょう。そうすれば食材を減らすことができるので、倉庫に行く回数を減らすことができます」
「そうは言っても、どれも自信作で減らすことができるものはないよ。それに、減らしたらその分の売り上げが下がってしまう」
「売り上げは減らないですよ。下位メニューが無くなっても、その分は上位メニューに流れるだけです。もしかしたらそのせいで購入しない人が極一部いるかもしれませんが、それ以上に効率化できるメリットの方が大きいです」
「そうかなぁ」
 茂之は半信半疑で雄一郎の話を聞いていた。

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