女子大生のハンバーガー店経営物語

第六章 立て直し

第三節

 雄一郎は続けて説明した。
「お店の広さとメニューの数は比例させるのが一般的です。大きいお店であればメニューは多くし、お店が小さければメニューは少なくするという具合です。バーガーサンデーは小さなお店ですから、この広であれば8種類ぐらいがちょうどいいと思います」
「8種類か。難しい選択だな」
「種類の豊富さを売りにするのであれば多くてもいいのですが、バーガーサンデーは本格的なハンバーガーが売りなので、種類が多いと逆にその売りが薄まってしまいます。少ない方が売りが際立つのでお客さまには伝わりやすくなります」
「そう言われると確かに少ない方がいいかもしれないと思うけど。でも、8種類だけではお客さまが飽きないかな。特に常連のお客さまが離れてしまわないか心配だよ」

「それを解決する方法はあります。期間限定販売のハンバーガーを導入しましょう。2種類を期間限定のハンバーガーにして、それぞれを1週間ずらして、それぞれを2週間の販売期間で販売しましょう。そうすれば常連のお客さまにも満足してもらえるはずです。人気が出たハンバーガーは定番化して、売れていないハンバーガーと変えましょう。ハンバーガー開発が大変ですが、やる価値はあります」
「まぁ、確かにそうだな」
「8種類に減らせば食材の在庫は少なくて済みます。効率的になるのでハンバーガーの提供スピードは間違いなく高まります」
「そうだな。では8種類に減らしてみるか」
 三人は残すハンバーガーと廃止するハンバーガーを決めた。ハンバーガー以外のメニューも種類を減らすことにした。メニューの種類を減らすことで倉庫へ行く回数を減らすようにした。
 倉庫へ行く回数の多さ以外でハンバーガーの提供スピードを遅くしている作業がないかも話し合った。意外にも、細かい部分で無駄な作業がたくさんあることに気づいた。茂之とすみれは反省した。

 最後に、「カロリーが気になる」という意見について検討に入った。
「カロリーについては私も気になっていたの」とすみれは言った。
「カロリーねぇ。そうは言ってもアメリカ仕込みのハンバーガーが売りだから仕方がないよ。本場のアメリカじゃもっとカロリーが高いものだってあるんだから。それに比べたらカロリーは低い方だよ」
「ここは日本でしょ。それに女性にとっては少し大きいし、たまに食べるにはいいけど、定期的にとなるとやっぱりカロリーは気にしちゃうよ」
「そういうものなのか」
「そういうものよ」
「じゃあ具体的にどういうハンバーガーがいいのだろうか」
「そうね、単純だけど野菜が多いハンバーガーかな」
「単純すぎないか。確かに健康的だけど芸がないというか。他のハンバーガー店でも販売していそうじゃないか」
「そう言われるとそうかもしれないけど。でも、野菜が多いハンバーガーは絶対に売れると思うの。大手のハンバーガー店で野菜を多く使ったハンバーガーを売っているところはあるけど、この周辺には出店していないし」
「確かにこの辺にはないな。うちがやれば独占できる市場かもしれない。アイデアは別に考えるとして、野菜を多く使ったハンバーガーは販売するべきかもしれないな」

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