JTBは6月25日、東京五輪期間中に横浜港に停泊する大型クルーズ船をホテルとして活用する「ホテルシップ」を誘致すると発表しました。ホテル不足が懸念されるなか、ホテルを建設せず宿泊客を呼び込む考えです。

米クルーズ会社プリンセス・クルーズの客船「サン・プリンセス」が東京五輪の開会式前日の2020年7月23日から8月9日までの間、横浜市内の山下ふ頭に停泊します。

サン・プリンセスは約1000の客室数を誇り、レストランやプール、劇場などを備えています。クルーズ船は乗客1人に対する乗組員数が多い順に「ラグジュアリー」「プレミアム」「カジュアル」に分けられ、サン・プリンセスは「プレミアム」に位置し、上質なサービスや食事を手頃な価格で提供することを売りとしています。

2泊3日から予約が可能で、1室2人利用の場合、1人1泊3万〜30万円程度で、利用者は船内で食事やショーの観覧、スポーツなどを楽しむことができます。19年春以降に発売を予定しています。

20年には17年比で約4割増となる4000万人の訪日外国人客数が見込まれており、五輪に向けてホテル不足が予想されるなか、クルーズ船を「期間限定の高級ホテル」とすることで一時的に膨らむ宿泊需要を取り込むほか、五輪特需後のホテルの供給過剰を防ぐ手法のモデルとしたい考えです。

また、クルーズ人気を広げる機会にもしたい考えです。国土交通省によると、17年の訪日クルーズ旅客数は前年比27.2%増の253.3万人、クルーズ船の寄港回数は前年比37.1%増の2765回となり、いずれも過去最高を記録しました。クルーズ船は寄港地を中心に一度に多くの観光客が訪れるため、消費が生まれることを期待した誘致合戦が熱を帯びており、そうした中でホテルシップの活用も期待されています。