セブンが店舗レイアウトの刷新で新たな一手を打ち出した

 コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンは新たに「タイプF2」と呼ばれる店舗レイアウトを導入すると発表した。同社は店舗レイアウトを刷新するため、「タイプF1」と呼ばれるレイアウトの導入を進めているが、タイプF2はタイプF1とはまったく異なるものだという。タイプF2とはいったい何なのか。これまでのタイプF1とは何が違うのか。その全貌を公開する。

 セブン-イレブンは1974年に国内第1号店をオープンしてから基本的に店舗レイアウトを変えてこなかった。しかし、消費者のニーズが大きく変化し従来のレイアウトでは対応しきれなくなったため、昨年、新型のレイアウトを導入する方針を打ち出した。2021年度までに既存店1万店と原則すべての新店に新レイアウトを採用するという。

 新レイアウトでは従来と比べ弁当や総菜といった「中食」の売り場を大幅に拡大している。背景にあるのが「中食需要の拡大」と「食の外部化」だ。弁当などの中食をコンビニなどで買って自宅などで食べる人が増えている。それに伴いセブンでは弁当や総菜、冷凍食品、揚げ物などのカウンター商品の売り上げが増えているという。こういったニーズの変化に対応するため、セブンは店舗レイアウトの刷新に踏み切ったのだ。

 昨年から本格的に導入を始めたタイプF1ではレジカウンターを入り口の真正面に配置している。カウンターは従来よりも3割ほど大きくなった。これにより、ニーズが高まっているカウンター商品を充実することができるようになった。入り口から入って左手の壁面では陳列ケースを増やして弁当や総菜、冷凍食品などを配置している。中央の陳列棚は向きを変えた。従来は入り口から見て横向きの配置だったが縦向きに変更した。これがタイプF1の概要となる。ただ、セブンは微調整を繰り返しており、完全に決まった型はまだないようだ。また、当然ながら店舗によっては一部異なることもある。

 新レイアウトを導入した店舗では中食の売り上げが伸びているという。8月の売り上げ実績で、冷凍食品が前年同月比39.1%増、麺類が12.2%増、揚げ物や焼き鳥などが11.6%増とどれも大きく伸びている。また、いずれも既存店の伸びを大きく上回った。

新レイアウト「タイプF2」の概要

 セブンはこれまでタイプF1の導入を進めてきたが、新たにタイプF2を加えて店舗レイアウトの刷新を進めていく。

 タイプF2は何が違うのか。公表された資料によると、タイプF2は旧レイアウトの店舗を部分的に改装することで中食を拡大したレイアウトに変更するという仕様になっている。レジカウンターは入り口から見て左側にあり、旧レイアウトと同じ位置となっている。カウンター以外の壁側の配置も旧レイアウトとほとんど変わらない。また、中央の陳列棚も旧レイアウトと同じく入り口から見て横向きとなっている。こうしてみると、陳列ケースと棚の配置は旧レイアウトとほとんど変わらない。ただ、細かい部分で違いがある。

 タイプF2ではレジカウンターの形がL字となっている。サイドカウンターを設けることで広いスペースを確保した。サイドを含めたカウンターの長さは標準で11メートルとなり、タイプF1よりも1.4メートル長い。サイドカウンターを設置するために必要なスペースは中央の陳列棚を減らすことで捻出するようだ。このように細かい部分で違いがある。また、タイプF1と同様、旧レイアウトと比べて中食を展開する陳列ケースや棚を拡大している。

 そして、タイプF2は改装のための”店舗休業が発生しない”ということが大きな特長となっている。タイプF1では改装で約3週間休業しなければならないという問題を抱えていたため、休業不要のタイプF2を開発するに至った。スピード改装が可能なタイプF2を新たに加えることで新レイアウトの導入を加速させたい考えだ。

 セブンは21年度までに5360店でタイプF2を導入し、タイプF1と合わせて1万2010店で新レイアウトを導入する方針だ。店舗レイアウトを刷新することで高まる中食需要に対応し、業績拡大を狙う。