マックハウスが大量閉店している

 カジュアル衣料品店を展開するマックハウスの店舗数が激減している。2009年2月末に567店あったが、18年2月末には410店まで減った。9年で3割弱に当たる157店が減った形だ。なお18年8月末時点ではわずかに増えて413店となっている。

 マックハウスは、リーバイスやエドウィンといったジーンズを主軸に、カジュアルスタイルの衣料品を販売。ライトオンジーンズメイトと並んで“ジーンズカジュアルチェーンの御三家”とも呼ばれ、かつてはそれなりの勢いを誇っていたが、現在は業績不振に苦しんでいる。

 08年2月期に573億円あった売上高は、18年2月期には308億円まで減った。10年で46%減った形だ。既存店売上高の前年割れが続くほか、店舗閉鎖を進めたことで減収が続いている。最終的な儲けを示す純損益はこの11期で4回赤字に陥った。18年2月期の純損益は2億円の赤字だった。

 10月9日、19年2月期の業績見通しの下方修正を余儀なくされた。売上高は前回予想の302億円から2.9%少ない293億円に引き下げた。純損益は8億6000万円の赤字とし、従来予想(2億4000万円の赤字)から赤字幅が6億2000万円拡大する。売り上げの減少が想定より大きく、今後も減少が続くことが見込まれるほか、一部の不採算店の減損損失を計上したことが影響した。

高級ジーンズが売れない時代?!

 マックハウスはジーンズカジュアルチェーンの御三家と呼ばれていることからもわかるとおり、ジーンズを売りとしている。リーバイスやエドウィンといった比較的高単価のジーンズを扱っていることが、ユニクロなど一般的なカジュアル衣料品チェーンとは異なるところだ。中には1万円を超えるジーンズもある。売り場ではジーンズが好ロケーションで大量に陳列されている。ジーンズを含めた大人向けのボトムスの売上高の構成比は大きく、全体の3割強にもなる。

 だが、売りの高級ジーンズは、競合店が00年代終わりに相次いで投入した低価格ジーンズとの競争に破れてしまったといえるだろう。ユニクロの姉妹ブランド「GU(ジーユー)」が09年3月に990円のジーンズを発売し大ヒット。これを口火に、イトーヨーカ堂やイオンなど小売各社が相次いで1000円を切るジーンズを発売した。同年10月にはドン・キホーテが“業界最安値”をうたって690円のジーンズを発売し話題となった。こういった低価格ジーンズに押される形で、マックハウスの売上高は08年2月期を頂点に減少に転じることになった。

 また、ここまで安くはないものの、2000〜3000円程度を出せばそれなりのジーンズが買えてしまうという消費環境が整っていったのも、マックハウスにとっては頭痛の種となっている。例えばユニクロでは1990円、2990円、3990円といった低価格でジーンズを販売している。ユニクロのジーンズは、世界に誇る日本のデニム生地メーカーのカイハラと組んで作られたりしており、なかなかの品質がある。ユニクロのジーンズで十分という人は少なくないだろう。マックハウスはユニクロのジーンズにも押されたといえる。

 こういった低価格ジーンズに追いやられたのはマックハウスだけではない。御三家のライトオンとジーンズメイトも同様だ。どちらも、低価格ジーンズが相次いで発売された09年ごろから急速に売上高が低下した。衣料品ネット通販の台頭などで競争がさらに激化していったこともあり、両社は今も業績不振に苦しんでいる。一方、ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングの業績は好調で、09年より前も後も売上高は増加傾向を示している。

他にも問題がある?!

 マックハウスは低価格ジーンズが台頭したことで売りのジーンズが売れなくなってしまったわけだが、問題はこれだけではないだろう。ジーンズを含めたボトムスだけでなく、トップスの不振も深刻だ。トップスはファッションの花形カテゴリーとなるが、そのトップスにおいて高い競争力を持っているとは言い難い。マックハウスが扱うトップスと似たようなものをユニクロで2〜3割程度安い価格で買えてしまうというのが筆者の印象だ。

 ブランドイメージの観点でもマックハウスとユニクロは明暗が分かれたといえるだろう。マックハウスは当初から今日まで、主に郊外で店舗を展開してきた。そのため洗練されているとは言い難く、野暮ったいイメージが否めない。一方、ユニクロは郊外から出発したものの、1998年におしゃれな街として知られる東京・原宿に出店した辺りから都心部に積極的に出店するようになり、それによりブランドイメージを高めることに成功した。文化の発信地として知られる東京・銀座にも大型店を出店している。

 かつては、着ている服がユニクロであることがバレて恥ずかしく感じる“ユニバレ”という言葉が広まるなどユニクロのブランドイメージは高くはなかったが、今となってはユニクロを着ていて恥ずかしいと思う人はかなり少ないのではないか。

 マックハウスは競合との競争に敗れ、業績が悪化した。打開策として、不採算店の閉鎖を進める一方、新業態の出店も進めていく。4月から出店を始めた新業態「マックハウススーパーストア」は、通常より店舗面積が広く、品ぞろえが充実しているのが特徴だ。4月から出店を開始した「マックハウスアーバンストア」は主に都心部で展開する小型の新業態で、300円均一の雑貨や子供服を多く取りそろえているのが特徴だ。10月には新業態「マックハウスグランドアリーナ」をオープンした。店舗面積が広く300円均一の雑貨が充実し、癒しの音楽を流すなど店舗空間の質を高めているのが特徴となっている。

 まずは新業態を展開することで差別化とイメージの刷新を図り、不振からの脱却を目指す。