化粧品のECサイトで巻き返しを図りたい考え

 12月12日付日本経済新聞は〈三越伊勢丹ホールディングスは2019年春にも化粧品の電子商取引(EC)サイトを立ち上げる。「日本最大級」と自称するサイトには資生堂やコーセーなどの約180ブランドが参画し、商品の種類は1万と旗艦店に劣らない品ぞろえを掲げる〉と報じた。

 三越伊勢丹はネット戦略の面で遅れをとっていたが、来期から3年かけてデジタル関連に計290億円を投資し、巻き返しを図る考えを示していた。

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 高級化粧品ブランドのメーカーは手軽なネット通販やドラッグストアでの販売に抵抗感が強い。そうしたなか、三越伊勢丹ブランドでネット販売することで化粧品ブランドのイメージ毀損を低減することが見込める。

 一方で、化粧品はネット販売に向かないとされる。店舗の売り場では買う前に試すことができるが、ネット販売はそれができないためだ。経済産業省によると、2017年の化粧品をネット通販を通じて購入した比率は約5%。約3割の家電や書籍、約1割の衣料品に比べて低い。

 他方、チャンスもある。国境を超えた電子商取引「越境EC」が拡大していることがそうだ。近年急成長しているのが日本から中国への越境ECで、中国人の間では日本の化粧品の人気は高い。経済産業省によると、中国人が越境ECで日本から実際に購入した日本商品では化粧品が堂々の1位。日本から中国への越境ECの市場規模は大きく拡大しており、三越伊勢丹が立ち上げるサイトもこの分野での売り上げが見込める。越境ECでは、旅行中に買った商品を帰国後にリピート購入するケースが増えており、店舗で多くの訪日客を取り込む三越伊勢丹は自社顧客のリピート購入を見込むこともできる。

 三越伊勢丹は業績低迷が続いているが、化粧品のECサイト立ち上げを一つのてこ入れ策として巻き返しを図りたい考えだ。