タブレットで客ごとにメニュー提案

 ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングス(HD)は2019年、来店客の利用履歴や天候などのビッグデータを分析し、来店客それぞれに合ったメニューを表示する「電子メニュー」を導入するようだ。

 12月19日付日本経済新聞は〈卓上にタブレット端末を用意し、現在冊子型のメニューを電子メニューとする。来店客のスマートフォンと連携させ、ビッグデータを分析した上で、来店客ごとにメニューの表示を変える〉〈まず約1000店で導入し、3年かけて国内の全3200店で利用できるようにする〉と報じた。

 また、〈品ぞろえも店ごとに異なるようにする。ハンバーグなど全国統一の基幹商品に、地域別商品なども用意し、来店頻度の向上につなげる。地域の旬の食材を使うなど、品ぞろえを最短1週間程度の期間で変えられるようにする。混雑するランチ時間帯をずらして来店した客に割引料金を適用する変動価格制も導入する〉(同記事)という。

 大手飲食チェーンはメニューや価格を原則全店で統一して調達コストを抑え、割安な商品を提供することで消費者の取り込みを図り、出店を進めてきた。これまではこういった経営モデルが理にかなっていたが、近年は消費の多様化が進み、従来の手法が通じにくくなっている。

 来店客それぞれに合ったメニューを表示する取り組みは斬新だ。ネット通販で同様の施策が広がったが、これを飲食店で応用するかたちだ。

 店ごとに品ぞろえを異なるようにする取り組みは徐々に広まっている。「カレーハウスCoCo壱番屋」は2009年から、店舗個別の商品や販促を店舗従業員が考えて実施する「ストアレベルマーケティング」を始め、地域の客層に合った商品を開発して「店舗限定メニュー」として売り出すなどしている。

 需給に応じて価格を柔軟に変える変動価格制は近年広がりを見せているが、飲食店では極めて珍しい。すかいらーくが始めることで、大手飲食チェーンを中心に一気に広がる可能性がある。