返品率を引き下げ収益性を上げる狙い
2月2日付日本経済新聞は〈アマゾンジャパン(東京・目黒)が売れ残っても出版社に返品しない「買い切り」と呼ばれる手法で書籍や雑誌の仕入れに乗り出す。一定期間は出版社が決めた価格で販売するが、売れ残った場合は出版社と協議して値下げも検討する〉と報じた。
出版業界では「再販売価格維持制度(再販制度)」が敷かれ、書店は出版社が決めた価格で紙の本を売っている。一方で、売れ残った場合には自由に返品できる「委託販売」が慣例となっている。ただ、出版販売が低迷するなか、〈4割にのぼる返品率〉(同記事)が書店などの利益を圧迫しているとして問題視されていた。
アマゾンは「買い切り」により返品率を引き下げたい考え。「買い切り」とすることで売れ残りリスクが生じるが、値下げ販売ができれば売れ残りリスクを低減することができる。「買い切り」は出版社にとっては売り上げの見込みが立ちやすいので必ずしも悪い話ではない。出版社との交渉次第では、仕入れ価格を引き下げ利益率を上げる可能性もありそうだ。
〈アマゾンと出版社の交渉はこれからで買い切り型に応じる出版社や出版物の規模も現時点では不明〉(同記事)だが、非効率な出版物流のあり方に一石を投じることになりそうだ。
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