後任は伊藤忠の小関氏

 スポーツ用品大手のデサントは3月25日、創業家の石本雅敏社長が退き、伊藤忠商事の小関秀一氏が新社長になる人事を発表した。現在の取締役10人のうち9人が退任する。取締役数を6人に減らすなど伊藤忠の提案を受け入れ、事実上、同社の支配下に入る。6月に見込む定時株主総会などを経て決定する。伊藤忠はデサント経営陣の刷新を求め、敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けて株の40%を握り、両社の関係は悪化したが、デサントが要求を全面的に受け入れることで対立は収束する見通しだ。

 売上高の5割を稼ぐ韓国事業を統括する取締役を除く9人が退く。新体制の取締役は伊藤忠の主張に沿い、デサント2人、伊藤忠出身者2人、独立した社外取締役2人の計6人とする伊藤忠の案が全面採用された。

 社外取締役にはスカイマーク会長などを務める佐山展生氏、ネスレ日本社長兼最高経営責任者の高岡浩三氏が新たに就任する。

 新社長に就任する小関氏は伊藤忠で専務執行役員として繊維事業を統括。デサントの課題である中国事業にも明るい。

 デサント株の約30%を保有していた伊藤忠はデサントに経営方針の是正を再三求めたが、デサントが受け入れなかったため、今年1月末から敵対的TOBを実施。3月15日に目標としていた40%を確保したと発表した。これによりデサントは伊藤忠の要求を拒否できないと判断。それに加え、対立が続くことでブランドイメージが毀損することを懸念した。

 今後は新社長のもと、しこりを残さずに成長路線に移行できるかが焦点となる。